AIの新用途やコンポーザブルインフラなど
ストレージ業界、押さえておかないと疎外感を抱く6つの技術トレンド(1/3 ページ)
2019年のストレージ技術トレンドは、安価で密度の高いフラッシュや、優れたパフォーマンスとデータ保護を実現するマルチクラウドデータ管理などが話題になるだろう。
データストレージ技術の中でも今後12カ月に最も話題になると考えられるトレンドを占ってみる。話題として重視したのは、購入や導入が既に可能な新しいストレージ技術だ。そのため、その技術の実用性が既に証明されていることが条件になる。非現実的な話題やあまりに未来的な話題は技術リストに含めていない。取り上げる技術はストレージ専門家が今すぐ使うことが可能だ。
今回取り上げるのは、以下の6つだ。
- 安価で密度の高いフラッシュ
- 「NVMe over Fabrics」(NVMe-oF)
- AI(人工知能)
- 機械学習
- マルチクラウドデータ管理
- コンポーザブルインフラ
読み進めていくうちに、これらが2019年の話題に上るストレージ技術に認定された理由が分かるだろう。では早速解説を始める。
安価で密度の高いフラッシュ
2019年は、データストレージ技術のさまざまなトレンドがユーザーの支持を得ると思われる。それに伴い、企業向けフラッシュストレージドライブがこれまで以上に安価になり、密度が向上するだろう。
まず、ここ2年間価格が低下しなかったNANDフラッシュチップ(以下、NAND)が一転、過剰供給の状態になる。NAND価格急落に伴い、SSDの価格も下がる可能性がある。SSD価格の内訳は、NANDが大半を占めているためだ。
調査会社Forward Insightsの創設者兼アナリストのグレッグ・ウォン氏によると、購入担当者は、2019年にNANDチップとSSDの両方の価格が30ポイント以上低下することを想定すべきだという。
「過去の製品と同程度の価格で大容量化したSSDを販売する可能性もある」と話すのは、調査会社Objective Analysisでゼネラルディレクター兼半導体アナリストを務めるジム・ハンディー氏だ。同氏によると、2019年の早い段階でSSDの価格が2018年初頭の半値になる可能性があるという。ただし、市場調査会社によってその推定は異なる。
「当社の予測では、NANDのGB単価は2018年の19.5セントから、2019年は13.7セント、2020年は11.2セント、2021年は8.8セント、2022年は7セントまで下落する」と話すのは、調査会社Trendfocusでバイスプレジデントを務めるジョン・キム氏だ。
「NAND価格が下落すればSSD価格も下落する。大容量ストレージを利用している企業にとって、この違いは非常に大きい。HDDにはGB単価の価格指標の点で明確な強みがあるが、SSDベンダーは現在その差を縮めている」(キム氏)
密度の高い「3D NAND」技術への移行もフラッシュ価格の下落に一役買っている。ベンダーは2018年に32層フラッシュから64層フラッシュへと移行した。2019年以降には96層へと増やす取り組みを少しずつ始めることになる。層を増やせば、古い2層技術を使用する標準SSDと同じサイズでより大きなストレージ容量を実現できる。
ウォン氏は、2019年も引き続き64層が優勢だろうと予測する。過剰供給を理由に、NANDベンダーが96層への移行を遅らせているためだ。ただし、一部のベンダーは既に2018年に自社の96層技術の宣伝を始めている。
近い将来、NANDの密度を高めるトレンドがもう1つある。1つのメモリセルにつき4ビットのデータを格納できる「QLC」(Quad Level Cell)フラッシュチップだ。企業向けSSDの大半は2019年も引き続き「TLC」(Triple Level Cell)の3D NANDフラッシュが組み込まれるだろう。だが、2018年の企業向けSSD市場で1%未満だったQLCは、2019年に4.1%へと緩やかに上昇するというのがウォン氏の予測だ。これは大規模システムを利用する企業によって後押しされるだろう。
調査会者Gartnerは、2021年までにNANDフラッシュの総生産量の約20%がQLC技術になると予測する。また、この割合は2025年までに60%に達する見込みがあるという。
QLCフラッシュには、トランザクションの多いデータベースやその他のハイパフォーマンスアプリケーションなどに必要な「書き込み耐性」が非常に少ない。だが、TLCよりも低価格なフラッシュの代替手段としては有効だ。大規模システムで読み取り負荷の高いワークロードに使用される安価なHDDにも対抗し得る。
調査会社Trendfocusでバイスプレジデントを務め、NAND SSDに注目しているドン・ジャネット氏によると、企業向けPCIe SSD市場が引き続き激化し、SATAやSASベースのSSD市場にはプレッシャーがかかり続けるという。アナリストは、低遅延のNVMeを採用したPCIe SSDが2019年の主要データストレージ技術トレンドの1つになると考えている。
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