「Wi-Fi 6」「5G」共存の可能性を探る【後編】
「Wi-Fi 6」と「5G」が本当に必要なのは「ネットワークエッジ」だった?
近年、ネットワーク分野で技術が大きく進化しているのはネットワークエッジの分野だ。それを「Wi-Fi 6」と「5G」が後押している。
無線LANの新規格「IEEE 802.11ax」(業界団体Wi-Fi Allianceの製品認証プログラム名称「Wi-Fi 6」)と「5G」(第5世代移動体通信システム)の両方を導入する企業は今後増えるだろう――。調査会社IDCでアナリストを務めるブランドン・バトラー氏はこう予測する。
社内全体の無線LANをWi-Fi 6に切り替えることを検討している企業は少なくない。そうした企業は、イーサネットスイッチをアップグレードし、SDN(ソフトウェア定義ネットワーク)に組み込むことを考えている。既に市場には無線LANアクセスポイントや無線LANコントローラーのWi-Fi 6準拠品が出回っており、2020年にはさらに多くの製品が登場すると考えられる。
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無線LANからモバイル通信へと広がる企業の関心
バトラー氏は「無線LANは企業のネットワークとして十分に普及しているため、新しい無線LAN規格の導入は容易だろう」と語る。無線LANを導入済みの企業であれば、無線LANアクセスポイントの設置場所はオフィスの天井に既に用意してあるからだ。
企業の関心は無線LANだけでなく、モバイル通信の新技術にも集中している。IDCの調査結果によると、企業におけるネットワークの主流はまだ無線LANだ。ただしIoT(モノのインターネット)のアプリケーションを導入するために、モバイル通信の新技術の導入を検討している企業が少なくないという。
「5Gは企業ネットワークの強力なバックホール(ネットワーク同士を接続する回線)としての役割も果たせる」とIDCのアナリスト、パトリック・フィルキンス氏は語る。さらに「LTE(Long-Term Evolution)のインフラ市場は成長を続けており、いずれLTE用のネットワーク機器は5G用に置き換わるだろう」とも指摘する。
ネットワークエッジへの活用
Wi-Fi 6と5Gの導入を後押ししている分野の一つにネットワークエッジ(ネットワークの末端)がある。ネットワークエッジでは、リモートで動作するデバイスやクラウド接続型のアプリケーション、IoTデバイスなど進歩が見られる。これに伴い、ネットワークの技術進化はネットワークコア(ネットワークが集中する設備)からネットワークエッジへと移っている。従業員同士の通信に加え、社外のビジネスパートナーや顧客との通信にその技術が生かされている。
Wi-Fi 6と5Gはほとんど同じ時期に開発され、こうしたネットワークエッジの進化を促している。IDCのアナリストであるロヒット・メーラ氏は「ネットワークの要件は高くなる一方だ」と語る。クラウド事業者、通信事業者、サービス事業者などさまざまな事業者の製品やサービスを連携させるためには、データ通信路の容量を拡大し、極めて低い遅延を実現しなければならない。
ネットワークに接続する機器は多様化し、従業員の間にはさまざまな需要が生まれている。「Wi-Fi 6と5Gは今後、企業の間で広く利用されるようになる。それと並行して、各事業者によるWi-Fi 6と5Gを使った新たなサービスの概念実証(PoC)や本格提供も広がるだろう」(メーラ氏)
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「Wi-Fi 6」「5G」共存の可能性を探る
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