エンドポイント環境の過去、現在、未来【前編】
WindowsとCD-ROMが必需品 20年前のエンドポイント環境を振り返る
2000年から2020年までの20年で、業務に用いるアプリケーションやデバイス、働き方は大きく変化し、多様化した。20年前のITを取り巻く環境と働き方はどのようなものだったか、振り返ってみよう。
今から20年前の2000年頃は、エンドユーザーが使うデバイスといえば「Windows」搭載PCとWindowsアプリケーションがほぼ全てだった。企業内のデバイス管理者はWindows管理者とほぼ同義だった。
今ではエンドユーザーの環境に多種多様なデバイスやアプリケーションが混在するようになり、エンドポイント環境が多様化した。
エンドユーザーは日常的にWindowsアプリケーションや社内Webアプリケーション、仮想アプリケーション、SaaS(Software as a Service)またはクラウドベースのWebアプリケーション、モバイルアプリケーションなどを使うようになった。これらをWindows搭載PCだけでなく「Mac」で、そして「Android」「iOS」を搭載したスマートフォンやタブレットで使用し、職場や自宅から公衆無線LANや移動体通信網に接続する。
このようにアプリケーションやデバイス、ワークスタイルが多様化したことは、この20年間でエンドポイント環境に多大な変化をもたらした。
20年前には何があったか
2020年の今から20年前の2000年は、MicrosoftのWindowsとWindowsアプリケーションがエンドポイント環境をほぼ独占していた。ディレクトリサーバの「Active Directory」はまだなく、構成管理システム「System Center Configuration Manager」(SCCM)の前身である「Microsoft Systems Management Server」(SMS)は登場の1994年から6年たち、バージョン2.0になった頃だ(Microsoft Systems Management Serverのバージョン2.0は1999年に提供開始)。
モバイルデバイスはまだ初期段階だった。「BlackBerry」は誕生したばかりで、実際に普及するのは数年先だ。企業が従業員に支給するモバイルデバイスといえばポケットベルが中心だった。携帯電話の利用料金はまだ高額で、使用は厳重に監視されていた。
IT担当者の仕事は何もかもが今よりゆっくりと進んでいた。
「CD-ROMで情報収集」が当たり前だった20年前
社外でノートPCをインターネットにつないで会社のリソースにアクセスするのは大仕事だった。接続方式ごとにPCカードを差し替え、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の電話番号が記載されているテキストファイルを参照しなければならなかった。ノートPCは持ち運びできるものの、インターネットにつないでいない時間が大半だった。
IT担当者の学習プロセスも時間がかかった。今のように何でもGoogleの検索エンジンで検索して答えを見つけることはできなかった。紙の説明書やメーリングリストに加え、「Microsoft TechNet」から情報を収集した。Microsoft TechNetはドキュメントや評価用ソフトウェアなどが入った数十枚ものCD-ROMを提供するサブスクリプションサービスだ。IT担当者がこうした手段を使って自分で問題を解決するには、多大な時間を要した。
ソフトウェアアップデートのサイクルは、小規模なアップデートが頻繁に提供される今よりも長かった。そのためか「ソフトウェア品質は20年前の方が高かった」という意見もある。本当にそうだったのか、それとも懐古主義が過去を美化させるのか、真相は分からない。
後編では、2000年ごろから現在までの間に起きたエンドポイント環境を巡る変化を追い、現在と未来のトレンドについて考察する。
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エンドポイント環境の過去、現在、未来
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