新型コロナがメモリ市場に与える影響【前編】
新型コロナウイルス感染拡大でNAND型フラッシュメモリの価格はどう動く?
新型コロナウイルスの感染拡大でNAND型フラッシュメモリの需要が低迷すると専門家は予測する。各社が設備投資を積極化させてきた中で、NAND型フラッシュメモリの価格にはどのような影響があるのだろうか。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染が広がることでNAND型フラッシュメモリの需要が落ち込み、価格に影響を及ぼす可能性があるとアナリストは予測する。
NAND型フラッシュメモリは値上がりするのか、値下がりするのか
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NAND型フラッシュメモリの価格は2020年に入って上昇傾向にあった。しかしアナリストの中には、新型コロナウイルスの感染が広がってスマートフォンをはじめとした半導体チップを搭載するデバイスの出荷台数が減少すれば、NAND型フラッシュメモリの価格が下落すると指摘する声がある。一方でNAND型フラッシュメモリの価格への影響は限定的になるという見方もある。大規模なデータセンターを運営する企業、サーバやストレージを扱うベンダーは、NAND型フラッシュメモリ搭載製品の調達を計画する上で、予測が難しい状況に置かれている。
「2020年後半にかけてNAND型フラッシュメモリの価格が安定するという予測は全て白紙になった」。調査会社TRENDFOCUSの副社長を務めるドン・ジャネット氏はそう語る。
ジャネット氏はベンダー各社が2020年内にNAND型フラッシュメモリの価格を引き下げる可能性があると予測する。新型コロナウイルスの影響で供給が需要を上回る公算が大きいからだ。2020年初めにNAND型フラッシュメモリの価格は高騰した。ジャネット氏は新型コロナウイルスが出てくるまではそのトレンドが続きそうだとみていた。
PCやモバイルデバイスの販売が減少すれば、間もなくNAND型フラッシュメモリが余るようになる。2020年下半期には大規模データセンターを運営する企業が、2020年前半に実施していたような規模のフラッシュストレージの調達を控えるようになり、行き場のないNAND型フラッシュメモリはさらに増える可能性がある。
調査会社Objective Analysisで半導体分野のアナリストを務めるジム・ハンディ氏は、2020年初めのNAND型フラッシュメモリの価格上昇は、米中の貿易戦争に伴う一時的なものだと捉えていた。
NAND型フラッシュメモリの価格下落が予測されることには理由がある。2020年に供給不足に陥る要因はないと、ハンディ氏は考えている。同氏は「2018年に半導体生産設備には巨額の投資額が投じられた。それを考えれば2020年は生産過剰になるのが当然だ」と説明する。こうした投資は2019年も続いたため、2021年も供給過剰になる条件は整っているというのが、同氏の見方だ。
2020年から2021年にかけてはNAND型フラッシュメモリやSSD(ソリッドステートドライブ)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)の値上がりはないとハンディ氏は予測する。「大規模データセンターを運営する企業、サーバやストレージのベンダーやその顧客企業は、必要とする製品を手頃な価格で調達できるはずだ」(同氏)
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