「Citrix Workspace」への移行にはためらいも
IT部門“増員ゼロ”の銀行がVMwareではなくCitrixのVDI製品を使う理由
金融機関のRenasant Bankは買収によって事業拡大を続ける一方、IT部門のスタッフは増員していない。その理由は、Citrix Systemsの仮想化製品の活用にあるという。どう活用しているのか。
金融機関のRenasant Bankは2000年代初頭から同業他社の買収を繰り返し、ミシシッピ州を拠点に、アラバマ州やテネシー州など、各州での事業拡大を続けている。同行は成長を続けているにもかかわらず、IT部門の人員を増やす必要には迫られていない。同行で執行役員を務めるアダム・アーチャー氏は、Citrix Systems(以下、Citrix)製品の利用によるところが大きいと考えている。
Renasant BankとCitrixとの関係が始まったのは、Citrixが提供するアプリケーション仮想化製品「Citrix Presentation Server」からだ。Renasant Bankは現在Citrix Presentation Serverに代わり、後発製品の「Citrix Virtual Apps」と「Citrix Virtual Desktops」を導入している。同行はこれらの製品を使い仮想アプリケーションと仮想デスクトップを配信して、従業員の在宅勤務環境を構築している。「セキュリティ管理がしやすく、新しい従業員を追加しやすい」(アーチャー氏)
本稿は、Renasant BankとCitrixの関係性や、Renasant Bankが活用している仮想化製品に関するアーチャー氏の話をまとめた。
VMware製品も検討したがCitrix製品を継続利用の訳
―― 仮想化技術はどのように役立ってきましたか。
アーチャー氏 仮想化技術を利用するメリットの一つは、IT部門の人員を増やすことなく事業を成長させられることだ。当行はさまざまな買収を繰り返し、新しい従業員を迎え入れてきたが、仮想化技術を利用することで、IT部門の人員を増員する必要はなくなった。
―― どのCitrix製品を使用していますか。
アーチャー氏 Citrix Virtual AppsとCitrix Virtual Desktopsを使用している。基本的にはCitrix Virtual Appsを利用してもらい、それが適さないエンドユーザーの場合はCitrix Virtual Desktopsでニーズを満たしている。
これらの製品が職場に大きなメリットを生み出しているのは間違いない。事業拡大で迎え入れた従業員にもCitrix製品を使ってもらうことで、IT部門のスタッフを増やす必要がなくなった。当行の標準的なオフィスには、シンクライアントとルーター、スイッチのみを用意している。サーバはそこになく、全てを当行のデータセンターに集約している。オフィスごとにサーバがあったら管理の負荷が高まり、IT部門のスタッフを大幅に増員する必要が生じた可能性がある。
―― Citrix製品のセキュリティ機能は、金融機関にとって十分なのでしょうか。
アーチャー氏 支店でデータを保持することがなければ、データを保持するサーバを各行で管理する心配をせずに済む。全てを一元管理しているため、セキュリティ対策がしやすくなっている。
―― Citrix製品を利用し続ける中で他社製品を検討したことはありますか、また現在の環境に満足していますか。
アーチャー氏 どちらの答えも「はい」だ。市場に出回る他のテクノロジーに常に注意を払っているのは間違いない。そのたびに、Citrix製品が最善だという結論に落ち着くことになる。VMwareのデスクトップ仮想化製品「VMware Horizon」に注目し、完全なVDI(仮想デスクトップインフラ)化を検討したことはある。しかしこれは当行にとって理にかなうものではなかった。VMware Horizonが製品として優れていないという意味ではない。当行にとってはCitrix製品が向いているということだ。
―― デジタルワークスペース製品群の「Citrix Workspace」の導入を検討していると発言されたことがありますが、導入の計画はありますか。
アーチャー氏 当行が使用している比較的古い一部のアプリケーションを考えると、Citrix Workspaceへの移行にはためらいがある。互換性がこうしたレガシーアプリケーションにまで及ぶかどうかの確信が持てない。加えて、これらのレガシーアプリケーションは最新の状態ではないものの、現状機能しているため、波風を立てる状況ではない。
―― 全社的な在宅勤務を可能にする計画はありますか。
アーチャー氏 現在の行員の傾向は10~15年前とは間違いなく大きく異なっており、誰もがいつでもどこでも仕事ができる環境を求めている。現在のCitrix環境では、データに接続できる限り、当行の行員は自身の好きな場所で非常に多くの仕事をできるようになっている。Citrix環境のデータセンターに全てを集約することで、安全なリモート環境も実現している。
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