プレビュー版を提供開始
「Windows Virtual Desktop」の衝撃 Windowsをクラウド提供の意味は?
クラウドベースのデスクトップ・アプリケーション仮想化ツール「Windows Virtual Desktop」は2019年後半に提供開始する見込みで、「Office 365 ProPlus」を統合する。
Microsoftは2019年3月21日、デスクトップおよびアプリケーション仮想化ツール「Windows Virtual Desktop」のパブリックプレビューの提供を開始した。2019年後半には一般提供を開始する予定だ。
Microsoftは2018年9月に開催したカンファレンス「Microsoft Ignite」でWindows Virtual Desktopを発表した。Windows Virtual Desktopはクラウドで実行するデスクトップとアプリの仮想化サービスだ。マルチセッション機能を備えるWindows 10と、オフィススイート「Office 365 ProPlus」が含まれ、同社のクラウドサービス「Microsoft Azure」で稼働する。
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Windows Virtual Desktopについて詳しく
ようやく提供開始
IT分野の調査分析会社Enterprise Strategy Groupでシニアアナリストを務めるマーク・バウカー氏は「多くのユーザーがWindows Virtual Desktopについて『やっと始まる』と思っていることだろう」と語る。
Microsoftの仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)市場への参入はやや遅れているとしても、Windowsやオフィススイート「Office 365」に慣れ親しんでいるユーザー基盤が大きな後押しになるとバウカー氏はみている。
「WindowsとOffice 365には強いつながりがある。Windowsがビジネス環境に広く普及していることはMicrosoftにとって有利だ」(バウカー氏)
Microsoftが2018年11月に仮想化技術を扱うIT企業FSLogixを買収したことが、Windows Virtual Desktopの実現に大きく寄与した。例としてメールクライアント「Outlook」やクラウドストレージサービス「OneDrive」で、読み込みを高速化する技術およびプロファイル管理技術はFSLogixの技術が役立っている。
Microsoftのブログ記事によると、「Windows Server」の「リモートデスクトップサービス」について、FSLogixがクライアントとサーバ両方のデプロイにも貢献する見通しだ。加えてオンプレミス環境からWindows Virtual Desktopやハイブリッドクラウドへの移行を可能にするという。エンドユーザーコンピューティング分野のコンサルタントであるジェームズ・ランキン氏は「FSLogixの買収こそが、旧技術から脱却したVDI機能とプロファイル管理機能をMicrosoftが実現する鍵になった」と話す。
「Microsoftが必要としていたのは、信頼でき、全ての問題を扱え、クラウドで利用可能な、簡単に管理できるソリューションだった」とランキン氏は述べる。「FSLogixはOutlookのキャッシュの問題や、Outlookとデスクトップ検索の問題、DaaS(Desktop as a Service)の問題の解決などにも貢献した」と語った。
AWSとCitrixへの影響
Windows Virtual Desktopの参入はCitrixやAWS(Amazon Web Service)などの大手VDIベンダーにも影響を及ぼす。
「MicrosoftがMicrosoft IgniteでWindows Virtual Desktopを発表した理由の一つとして、AWSが自社の仮想クラウドデスクトップ『Amazon WorkSpaces』で成功していることがあったのではないか」とバウカー氏は話す。
Citrixは、同社の仮想デスクトップ製品「Citrix Workspace」と「Citrix Virtual Apps and Desktops」でWindows Virtual Desktopの機能を拡張できると既に発表している。ツールの連携により、ネットワーク機能や管理ツール、ユーザーエクスペリエンス最適化も実現できるようになる。
バウカー氏によると、CitrixとMicrosoftのパートナーシップは両社とそのユーザーのどちらにとってもメリットがあり、CitrixユーザーがMicrosoftのDaaSにクラウド製品を展開するのが容易になるという。「Windows Virtual DesktopはCitrixユーザーが使いやすい消費モデル製品になる」と同氏は話す。
Citrixは2018年のMicrosoft IgniteでDaaS製品も発表した。あるWebセミナーの説明では、この製品はWindows Virtual Desktopと組み合わせることができ、1つのライセンスで両社のサービスを使用できるという。
Windows Virtual Desktopを使用するにはAzureのライセンスが必要になるため、「まだAzureを使用していないユーザーをMicrosoftのクラウドに呼び込めるのではないか」とバウカー氏は考えている。
「そうした快適性要因の効果は大きい。ユーザーはWindowsの快適性と、MicrosoftならWindowsを誰よりも知り尽くしているという安心感から、Windows Virtual Desktopを選ぶだろう」(バウカー氏)
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