新型コロナを大学はどう乗り切っているか【前編】
新型コロナは大学生の行動をどう変えたか? データで学生の変化を探る大学
新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受けている大学は、自宅に待機している学生の状況を把握し、それに対処するという課題を突き付けられている。それを乗り切るための技術とは。
2020年3月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響を受け、学校はオンライン教育実施を迫られた。こうした急激な変化を受け、大学はオンライン教育ツールを導入するとともに、講義や事務手続きをリモート体制で実現するためにデータ分析およびAI(人工知能)技術を活用している。
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自宅待機している学生の学業と精神状況を把握するには、データ分析技術とAI技術が役立つ。大学向けにERP(統合業務)製品や学生情報管理製品を提供するJenzabarは、学生の行動を把握するためのデータ分析活用を支援する。
新型コロナウイルス感染症の影響で、米国の大学は急にキャンパスを閉鎖せざるを得なくなった。だが全ての大学が、対面の講義からオンライン講義に切り替える体制を十分に整えていたわけではない。
「対面指導用の教材をオンライン講義に転用するしかなく、本格的なオンライン講義の実施には至っていない。教員はオンライン教育への移行を急いで進めている」。Jenzabarのシニアデータサイエンティストであり、ロチェスター工科大学(Rochester Institute of Technology)で非常勤教授を務めるステファニー・トンプソン氏はそう説明する。
こうした急激な変化に加え、新型コロナウイルス感染症の流行という異例の状況に置かれる中、大学は学生とのつながりを維持し、この変化に対する学生の反応を把握しようと努めている。
データで見えたコロナ禍での学生の変化
Jenzabarの製品は履修・コース管理、成績表管理、学生とのコミュニケーション、事務処理などの機能を備える。大学はこれらの機能を活用してデータを収集、分析することで、学生がログインしそうな時間帯や、人気が集まりそうな講義などをデータに基づいて予測できる。
「全てがオンラインになる前は、学生の行動に一定のパターンがあった」とトンプソン氏は語る。ところが新型コロナウイルス感染症の流行でそのパターンが崩れ「大学側は学生の行動傾向を予測できなくなった」(同氏)。こうした問題に対し、Jenzabarの製品を活用している大学は、学生の新しい行動パターンに関するデータを集めて、その傾向を程度把握し始めている。
Jenzabarによると、同社製品導入校では以前、土曜日に学生が同社製品にログインすることは少なく、日曜日にログインすることが多かった。ところが今は土曜日にログインする学生が増えており、彼らの学習スケジュールの変化が明らかになりつつあるという。同社によると、オンラインディスカッションにおける教員からの投稿と、それに対する学生の反応が増えている。こうした「さまざまな新しいパターンが見えてきている」とトンプソン氏は言う。
パターンが見えるようになれば、教員はそれに応じて指導方法を変更できる。財務部門は予測に沿って予算を調整し、学生相談担当者は学生の悩みが一部の問題なのか、全体の問題なのかを確認するといったことが可能になる。
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