「真の自律型企業」の姿とは【後編】
次世代RPA「IPA」に期待し過ぎてはいけない“納得の理由”
「インテリジェントプロセスオートメーション」(IPA)に期待を寄せ、市場発展の可能性を見出すアナリストは少なくない。ただし「導入直後に成果を発揮する万能薬のようなものではない」との声もある。それはなぜか。
「コグニティブオートメーション」とも呼ばれる「インテリジェントプロセスオートメーション」(IPA)は、「ロボティックプロセスオートメーション」(RPA)のようにビジネスプロセスを自動化するだけでなく、人工知能(AI)技術を利用して運用の仕組みをシステムに学習させ、判断や指示を導く技術だ。RPAと比べると、より幅広い業務に適用できる可能性がある。
IPAはなぜ「万能薬」ではないのか
「IPA市場は発展途上だが、その成長の可能性は計り知れない」と語るのは、調査会社Constellation Researchの創設者でプリンシパルアナリストを務めるR・レイ・ワン氏だ。
「ERP」(総合業務)システムであれ、「CRM」(顧客関係管理)システムであれ、「SCM」(サプライチェーン管理)システムであれ「真の自律型企業の実現に向けた大きなトレンドの一部にすぎない」とワン氏は語る。「ユーザー企業の関心は、実現可能な自動化の程度に向けられている」と同氏は指摘。「既存のシステムはこうした状況に対処できないため、Aera TechnologyのようなIPAシステムを提供する企業が存在する」と説明する。
RPAシステムでも、IPAシステムと同じことが実現できると考える人もいるだろう。その可能性はあるものの「現時点ではRPAシステムには十分な機能が備わっていない」というのがワン氏の見方だ。同氏によると、Aera TechnologiesのIPAシステムはAI技術によって、システムを巡回してビジネスプロセスを理解する。
コストの節約、プロセスの改善、セキュリティの強化という点で、IPAは非常に大きな成果をもたらすはずだ。だがIPAシステム導入直後に、このような成果が手に入ると期待してはならない」とワン氏は言う。IPAシステムにはデータの収集、パターンの特定、ビジネスプロセスの学習といった作業のための時間が必要だ。IPAシステムの判断機能に対する従業員の信頼を勝ち取るのにも時間はかかる。
「IPAは万能薬ではない」とワン氏は注意を促す。システム導入後に、システムのトレーニングを実施し、人が機械を補完して微妙な差異を特定し、機械が人を補完して迅速に判断を下せるようになるには「2~3年の歳月を要するだろう」と同氏は指摘する。「システムは自力では機能しない。そのためトレーニングの実施は不可欠だ」(同)
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