画像認識、自動翻訳他
eBayは「AI」をどう活用しているのか? Eコマースに使えるAI
eBayは自動翻訳や画像認識、写真のクリーンアップなどのAI技術を利用している。ユーザーを引き付けてつなぎ止めるためだ。具体的にどう活用しているのか。
ここ数年、Eコマース企業はオンラインで商品を売買しやすくするためにAI(人工知能)技術を導入している。世界有数のEコマース企業eBayは、エンドユーザーをサポートするためにコンピュータビジョンや自然言語処理、機械学習(深層学習を含む)を利用している。
AIが価格を決定
eBayはAI機能の開発と導入に多額の投資をしている。競合企業であるWayfairやAmazon.comもEコマースのシステムで同様の機能を開発しており、eBayだけが特別なことをしているわけではない。ただし同社がオークション形式を採用して販売者志向である点は、商品を売買するエンドユーザーにメリットをもたらし、他社との差異化につながっている。同社は、画像検索や画像のクリーンアップといった画像向けツールを幾つか用意している。
エンドユーザーがeBayのモバイルアプリケーションを使用して対象物の写真を撮影すると、そのモバイルアプリケーションがコンピュータビジョンと深層学習によって同社のシステムにある類似画像を検出する。同社はこの機能を2017年にリリースし、リリース以降もアップロードされた画像で機械学習を続けていているため、その機械学習モデルの認識精度は向上している。
GoogleやAmazonなどもオブジェクト認識技術を導入して同種の機能を提供している。商品の説明を考慮することで、検索機能の精度は向上している。
販売者には推奨価格が自動提示される。もっとも、以前は必ずしも適切な価格が提示されるとは言えなかった。「価格決定モデルに関しては、お世辞にもうまく対処できているとは言い難い状況だった」と語るのは、eBayでエンジニアリングのバイスプレジデントを務めるスコット・ハミルトン氏だ。同社の同名Eコマースサイトではユニークな商品が多数出品される。そのため一部の商品については、基準となる比較対象を見つけるのが困難だったとハミルトン氏は説明する。
リストされた商品の画像、価格帯、説明、タイトルといった特徴を見ながら、類似商品と比較することで、eBayはその商品の価格の自動特定を試みている。商品在庫が滞らないようにするため、基本的に市場の平均価格より若干低い価格を提示するとハミルトン氏は説明する。「時々商品を販売するエンドユーザーや趣味で商品を販売するエンドユーザーの80%は、提示価格を受け入れている」(同氏)
EコマースにおけるAIの用途
eBayが販売者向けに提供している画像のクリーンアップ機能に、同社は自信を持っている。この機能はまだβ版だが、画像を取り込んで、背景にある雑多なものから商品を自動的に切り出すことを目的としている。同社で販売者エクスペリエンスのバイスプレジデントを務めるハリー・テムキン氏は次のように語る。「今日の検索エンジンでは、写真の背景は白く何も映り込んでいないことが求められる」
販売者は椅子の上やキッチン、ガレージなど、さまざまな場所で商品の写真を撮影する。このβ版の機能は商品を自動的に写真から切り出してくれる。「現在、多くのケースでは手動入力が必要で、エンドユーザーは商品の端をなぞらなければならない。だが、この機能の精度は向上している」とテムキン氏は話す。継続的に学習しているのはソフトウェアだ。このソフトウェアが学習する画像が増えるほど、ソフトウェアの機能は向上する。
画像関連の機能に加えて、eBayは自社開発の自動翻訳機能を提供し、さまざまな国のユーザーが商品の一覧を母国語で確認できるようにしている。「水面下で翻訳するため、翻訳していることにエンドユーザーが気付かないこともあるくらいだ」とハミルトン氏は話す。
ハミルトン氏は、eBayが提供する自動翻訳機能の精度は「市販製品より5~6%高い」と主張する。グローバルなEコマースシステムの運用では、全てのエンドユーザーが英語を理解するわけではないことを考慮する必要がある。「機械学習を使用して、英語の商品の一覧をドイツ語、スペイン語、フランス語に変換できるのは強みになる」とテムキン氏は語る。
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