2020年04月09日 05時00分 公開
特集/連載

AWS、Azure、GCPではなく「IBM Cloud」「Oracle Cloud」を選ぶべき理由と課題「ビッグスリー」以外のクラウドサービス4種類を比較【中編】

クラウドサービスを選定するときは、ビッグスリー以外のクラウドベンダーにも目を向ける価値はある。本稿は老舗ITベンダーのクラウドサービスである「IBM Cloud」と「Oracle Cloud」について詳しく説明する。

[Alan R. Earls,TechTarget]

 クラウドサービスを導入するときに、一般的に「ビッグスリー」と呼ばれる大手3社のサービスを思い浮かべるユーザー企業は少なくない。Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやMicrosoftの「Microsoft Azure」、Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)のことだ。ビッグスリー以外のベンダーも、さまざまな方法でクラウドサービスに取り組んでいる。こうしたベンダー各社の特徴は全く異なるため、同じ条件で比較するのは難しい。

 前編「『AWS』『Azure』『GCP』だけからクラウドサービスを選ぶべきではない理由」に続く本稿では、ビッグスリー以外のクラウドサービスの中から、IBMの「IBM Cloud」とOracleの「Oracle Cloud」の長所と短所、最新の動向を詳しく説明する。

IBM Cloud(IBM)

 ITコンサルティング会社のInformation Services Groupでリサーチアナリストを務めるペドロ・L・ビクドマスキオ氏によると、IBMのクラウドサービス「IBM Cloud」はVMware製品関連のクラウドサービスが充実しているため、顧客がパブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせて利用するハイブリッドクラウドや、複数のクラウドサービスを利用するマルチクラウドを導入しやすくなっているという。ユーザー企業はIBMの人工知能(AI)エンジン「IBM Watson」やIoT(モノのインターネット)データ処理基盤「IBM Edge Application Manager」などの同社製製品・サービスを、他社のクラウドサービスと接続して利用することも可能だ。「IBMの強みは、人材とグローバルな存在感、包括的なポートフォリオ、そしてWatsonだ」とビクドマスキオ氏は述べる。

 IBMは世界中でリージョン(地域ごとのデータセンター群)を追加し続けており、コンテナやマイクロサービスの開発機能も継続的に拡大している。「Encryption Everywhere」(あらゆる場所での暗号化)という特徴を備える同社のメインフレーム「IBM z15」と連携させたハイブリッドクラウドを構築できるため、クラウドに否定的なユーザー企業を説得して、重要なワークロード(アプリケーション)をクラウドに移行できる可能性がある。金融や製造など複数の業界の大手企業と、長年にわたって関係を築いてきた強みもある。

 若い開発者を引き付ける必要があることが、IBMにとっての課題だ。より競争力のある価格を提供することも求められる。「IBMはAI技術やIoTなどの分野に取り組んでいても、若い開発者には『古い』と思われる傾向がある。一方で若い開発者は、比較的歴史の浅いAWSやGCPを『新しい』と感じている」とビクドマスキオ氏は話す。

 IBMは2019年に、Linuxディストリビューションを提供するRed Hatを買収した。ビクドマスキオ氏は「Red HatはIBMに新規性をもたらし、IBM Cloudを勢いづける可能性がある」と話す。

Oracle Cloud(Oracle)

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