ITIL導入を成功に導くための基礎知識【後編】
「ITIL」導入成功の鍵は“ITIL依存”を避けること?
ITサービスの書籍群「ITIL」はフレームワークとして利用することができ、数種類の認定資格がある。この認定資格と、ITILを導入するときのポイントを解説する。
「Information Technology Infrastructure Library」(ITIL)は、英国と同国の人材企業CapitaのジョイントベンチャーAXELOSが刊行する、組織がITサービスを管理するときのベストプラクティスを掲載した書籍群だ。前編「『ITIL』はなぜ必要なのか? 導入のメリットを整理」に続く本稿は、ITILの認定資格と、ITILを自組織に適切な方法で導入するためのポイントを説明する。
IT担当者によるITIL資格の取得
併せて読みたいお薦め記事
ITILのバージョン4について詳しくとは何か
IT担当者のキャリアに役立つ資格
AXELOSは、ITILのさまざまな側面を網羅した一連の資格で構成される、幅広いITIL認定資格を運営している。ITILのバージョン4では、2020年4月時点では入門者向けの資格であるFoundationの提供を始めている。今後より高度な認定資格「ITIL 4 Managing Professional」「ITIL 4 Strategic Leader」「Master」の提供を開始する。
それぞれの資格に、試験の合格や認定トレーニングの修了、定められた年数の実務経験、そのいずれかの組み合わせなど、具体的な資格習得の条件が決められている。ITIL資格の取得を目指すIT担当者は、認定トレーニング施設の講座を受講できる。
資格を取得するために講座の受講が必要な場合、その講座はAXELOSが認定したトレーニング施設が提供している必要がある。ITILのバージョン3の提供する認定資格の場合、入門者から中級者向けの「Foundation」「Practitioner」は、受験者に認可講座の受講を義務付けていないものの、AXELOSは講座の受講を強く勧めている。
ITIL導入を成功させるには
ITILを自社に導入するためには社内で教育研修を実施して、予定されるプロセスの変更に対してIT担当者の備えを万全にしておく必要がある。開かれたコミュニケーションと協力の推進は、ITILの導入のために欠かせない。全社的な導入には、経営上層部と主な関係者による後押しも必要だ。IT部門はITILと同時に、アジャイル開発やITシステムの開発者と運用担当者が連携するDevOpsなどの比較的新しい手法を導入する場合は特に、従業員がその手法に順応する準備ができていなければならない。
IT部門は自分たちが利用しているソフトウェア類を見直して、自分たちが他にどんなソフトウェアを必要とするかを判断する必要がある。ITILになじみやすいソフトウェアを導入することは、ルーティン作業を自動化して、業務の合理化を図り、人為ミスのリスクを減らす助けになる。例えばZOHOのManageEngine部門が提供する製品群の一つ「ServiceDesk Plus」は、ITILに準拠したサービスデスクを実現するためのソフトウェアだ。
常にITILに完全に沿うことが、最善の方法というわけではない。これはIT部門がITILを推進する中で理解できるはずだ。
ITILを導入する組織が、コストや人材、ソフトウェア面で抱える課題はそれぞれ異なる。IT部門は、自組織の状況にとってどのような対策が最善かを見極め、必要な場面ではITILのガイドラインに従う必要がある。
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