「SASE」とは何か【前編】
「SASE」とは? CASBやZTNAを包含したクラウド、IoT時代の新製品
Gartnerが新たに提唱するネットワークとセキュリティ運用の製品分野が「SASE」だ。SASEはなぜ必要であり、どのようなものなのか。
セキュリティやネットワークの分野で「SASE」という言葉を聞いたことがあるだろうか。まだ聞いたことがないとしても、間もなく耳にするようになるだろう。SASEという言葉を世に広めたのは調査会社Gartnerだ。SASEは「セキュアアクセスサービスエッジ」の略で、「サッシー」と発音する。
「SASE」の正体とは
併せて読みたいお薦め記事
ネットワークセキュリティの運用方法
新たなネットワークセキュリティ技術
オンプレミスのハードウェアにファイアウォール、データ保護、ネットワークアクセス制御を詰め込んだセキュリティ製品に依存することは、今日の企業ITにおいては時代遅れになっている。クラウドサービスやIoT(モノのインターネット)デバイスが混在し、システムがさまざまな場所に分散しているためだ。
こうした問題にいち早く気付き、製品ラインアップの見直しを図ったのがクラウドセキュリティベンダーZscalerだった。その動きに追随するベンダーも現れた。だがその展望には「企業に売り込むための関心を集める表現や定義が欠けていた」と、Gartnerでアナリストを務めるジョー・スコルパ氏は話す。
この欠けていた部分を補ったのが、2019年8月にGartnerが公開した調査報告書「The Future of Network Security Is in the Cloud」だ。ここで同社はSASEの概念を提唱した。
SASEはネットワークとセキュリティの機能を集約したクラウドサービスを指す。SASEこそが、クラウドサービスやIoTデバイス、モバイルデバイスが浸透した時代におけるデータセキュリティの未来だというのが、同社の見方だ。
Gartnerは、この新しいSASE市場で多くのベンダーが競い合うと見込んでいる。具体的にはCato Networks、Cisco Systems、Cloudflare、Fortinet、Palo Alto Networks、VMwareなどだ。2020年の終わりまでには、数社のベンダーがSASE製品を提供するようになるとGartnerは見込む。
企業の情報を単独で保護するものはなくなり、データセンターもデータを保管する場所の一つにすぎなくなる。「Amazon Web Services」「Microsoft Azure」「Salesforce」「Workday」などのクラウドサービスもデータの保管先になる。通信事業者が提供する5G(第5世代移動通信システム)サービスを利用して、IoTデバイスがインターネットに接続するだろう。
このように多様な場所に保管される大量のデータを保護するため、SASEは必要な機能をクラウドサービスとして提供する。Gartnerは10種類以上のネットワークおよびセキュリティ関連サービスをSASEの構成要素として定めている。統合的なWebセキュリティ製品である「セキュアWebゲートウェイ」、クラウドサービスとの通信を監視・制御する「CASB」(クラウドアクセスセキュリティブローカー)などがその例だ。
SASEは「ZTNA」(ゼロトラストネットワークアクセス)も含む。ZTNAとは適切なIDやデバイスかどうか、OSやWebブラウザなどの要素がセキュリティポリシーに沿っているかどうかなどを確認し、アプリケーション単位でアクセスを制御する仕組みを持つ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール」事例・サンプル集 -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティ教育はなぜ「年間計画」を立てる必要があるのか? -
製品資料
[LRM株式会社] セキュリティの重要性が伝わらない…… 効果がない社員教育から脱却する方法 -
製品資料
[LRM株式会社] 「標的型攻撃メール訓練」導入ガイド 社員の意識を確実に高める仕組みの作り方 -
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
6
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
7
Netflixのバックエンドは「ほぼJava」 3000超のアプリを支える開発基盤の裏側
-
8
AI基盤は本当に「オンプレ回帰」する? Broadcomの言い分と企業の本音
-
9
ISMSの“コンサル丸投げ”が招く数千万円の無駄 NTTドコモビジネスの脱出劇
-
10
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー