クラウドサービスの利用拡大に合わせてSD-WANを採用する動きが本格化している。SD-WANの機能でWAN回線の混雑解消、コスト削減などが期待できる。SD-WANがいま求められる理由や導入時のポイントを説明する。
企業のクラウドサービス利用が拡大する中、企業ネットワークの負荷や複雑性を解消する手段として「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)サービスに注目が集まっている。その背景として2つの要素が挙げられる。
1つ目はオフィススイート「Office 365」を始めとしたSaaS(Software as a Service)の利用拡大に伴うネットワークトラフィックの増加だ。結果としてネットワークの通信容量が逼迫(ひっぱく)し、従来のネットワーク構成では十分なパフォーマンスが出なくなる場合がある。
SD-WANは特定のアプリケーションのトラフィックを、データセンターを介さずに拠点から直接インターネットに流す「インターネットブレークアウト」の機能を実現する。SaaSによる混雑の問題はこれで解消できる。
2つ目の理由はベンダー側の動きだ。この2年ほどの間に、VMwareがVeloCloud Networksを、Cisco SystemsがViptelaを買収し、SD-WAN事業を強化した。こうした有力ベンダーがSD-WANの展開に本格的に乗り出したことが企業のSD-WAN導入を後押している。こうした動きが国内でも顕著になり「2018年から2019年で国内でもSD-WANの導入数は一気に増えるだろう」と調査会社アイ・ティー・アール(以下、ITR)のプリンシパル・アナリスト甲元宏明氏は語る。
SD-WANは、既存の物理的なWANを覆う形で「オーバーレイ」と呼ばれるソフトウェア定義による仮想ネットワークを構築する。これによってさまざまなデバイスを結ぶネットワークをオンデマンドで動的に制御可能になる。従来のネットワークの物理的な制約から解放され、ネットワークリソースを効率的に活用できるようになる。IP-VPNを使った従来のネットワークで余分な通信容量がある場合、一部をインターネット回線に変えればネットワーク全体のコストを大幅に削減できる可能性もある。
Office 365の利用を前提にしたインターネットブレークアウトは、SD-WANの数あるユースケースの一つだ。SD-WANがクラウド時代の重要なネットワークとして位置付けられている理由やそのユースケース、導入時のポイントなどについて説明する。
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