2019年05月29日 05時00分 公開
特集/連載

クラウド時代のネットワーク、「SD-WAN」導入が増える“真の理由”とはネットワーク効率化の要点

クラウドサービスの利用拡大に合わせてSD-WANを採用する動きが本格化している。SD-WANの機能でWAN回線の混雑解消、コスト削減などが期待できる。SD-WANがいま求められる理由や導入時のポイントを説明する。

[遠藤文康,TechTargetジャパン]

画像

 企業のクラウドサービス利用が拡大する中、企業ネットワークの負荷や複雑性を解消する手段として「SD-WAN」(ソフトウェア定義WAN)サービスに注目が集まっている。その背景として2つの要素が挙げられる。

 1つ目はオフィススイート「Office 365」を始めとしたSaaS(Software as a Service)の利用拡大に伴うネットワークトラフィックの増加だ。結果としてネットワークの通信容量が逼迫(ひっぱく)し、従来のネットワーク構成では十分なパフォーマンスが出なくなる場合がある。

 SD-WANは特定のアプリケーションのトラフィックを、データセンターを介さずに拠点から直接インターネットに流す「インターネットブレークアウト」の機能を実現する。SaaSによる混雑の問題はこれで解消できる。

 2つ目の理由はベンダー側の動きだ。この2年ほどの間に、VMwareがVeloCloud Networksを、Cisco SystemsがViptelaを買収し、SD-WAN事業を強化した。こうした有力ベンダーがSD-WANの展開に本格的に乗り出したことが企業のSD-WAN導入を後押している。こうした動きが国内でも顕著になり「2018年から2019年で国内でもSD-WANの導入数は一気に増えるだろう」と調査会社アイ・ティー・アール(以下、ITR)のプリンシパル・アナリスト甲元宏明氏は語る。

 SD-WANは、既存の物理的なWANを覆う形で「オーバーレイ」と呼ばれるソフトウェア定義による仮想ネットワークを構築する。これによってさまざまなデバイスを結ぶネットワークをオンデマンドで動的に制御可能になる。従来のネットワークの物理的な制約から解放され、ネットワークリソースを効率的に活用できるようになる。IP-VPNを使った従来のネットワークで余分な通信容量がある場合、一部をインターネット回線に変えればネットワーク全体のコストを大幅に削減できる可能性もある。

 Office 365の利用を前提にしたインターネットブレークアウトは、SD-WANの数あるユースケースの一つだ。SD-WANがクラウド時代の重要なネットワークとして位置付けられている理由やそのユースケース、導入時のポイントなどについて説明する。

従来の企業ネットワークとの違い

ITmedia マーケティング新着記事

news172.jpg

オンラインシフトに伴う名刺交換減少が引き起こす経済損失額は平均で年間約21.5億円――Sansan調査
コロナ禍における企業の商談・人脈・顧客データに関する調査です。

news164.jpg

成果報酬型テレビCM出稿サービス「XICA ADVA」 サイカが提供開始
従来のテレビCMは、出稿量の約束はできてもテレビCMによってどれだけ商品やサービスが売...

news074.jpg

SDGsの取り組みが認知されると、生活者の7割が行動を起こす――電通PR調査
SDGsの認知率は約4割。前年比15.6ポイント増と大きく伸長しています。今企業が取るべきア...