「セルフサービス分析」市場は今【後編】
Power BI、Tableau、Qlik、Spotfire以外の“使える”セルフサービス分析ツールは?
「セルフサービス分析」市場の成長とツールの進化をけん引するのは、Microsoft、Tableau、Qlik、TIBCOだけではない。その他の主要ベンダーと、各社の取り組みを紹介する。
ビジネスインテリジェンス(BI)ベンダー各社は価格体系を見直しつつ「セルフサービス分析」ツールの改善を続けている。「最近は価格とパフォーマンスが、セルフサービス分析ツールの重要な要素になってきている」と、Gartnerバイスプレジデントアナリスト兼フェローのリタ・サラム氏は言う。
各社のセルフサービス分析ツールの特徴
連携対象の幅広さを売りにするのが、Microsoftのセルフサービス分析ツール「Power BI」だ。Power BIはサブスクリプション形式のオフィススイート「Microsoft 365」をはじめ、同社のさまざまな製品・サービスと連携する。機械学習とデータ可視化のサービスを提供するBlue Orange Digitalで最高技術責任者(CTO)を務めるコリン・バン・ダイク氏がPower BIを評価するのは、表計算ツール「Microsoft Excel」やクラウドサービス群の「Microsoft Azure」、データベース管理システム(DBMS)の「SQL Server」と簡単に連携させることができるためだ。
Tableau Softwareは2019年8月にSalesforceによって買収された。両社は統合前から、それぞれ買収を通じてセルフサービス分析機能を拡大させていた。「Tableauはイノベーターであり、ディスラプター(破壊者)であり、セルフサービス分析のリーダーでもある」とサラム氏は指摘する。
サラム氏によると、Tableau、Qlik Technologies、TIBCO Software(Spotfireを買収)という3社のベンダーが、セルフサービス分析の進化をけん引した。「今ではAI(人工知能)技術による分析の自動化、インサイト(洞察)の自動生成、自然言語での質問機能が実現している」と同氏は語る。
MicrosoftやTableau、Qlik、TIBCO以外のBIベンダーも、さまざまなセルフサービス分析ツールを開発している。これらのツールの特徴を簡単に整理しよう。
- MicroStrategy
- データを用いて新たな知見を導き出す「データサイエンス」に、企業全体のエンドユーザーが取り組めるようにすることを目指す。機械学習などのAI技術を組み込んだデータ分析技術「拡張分析」も組み込む。
- ThoughtSpot
- 「誰でも使える完全なセルフサービス分析」を売りにしている。同社ツールのエンドユーザーはデータ担当者からのカスタムレポートを待つことなく、必要に応じて質問に対する答えを見つけることができる。拡張分析も組み込んでおり、企業向けのガバナンスとセキュリティ制御も提供する。
- Yellowfin International
- 同社のツールは従業員、顧客、取引先に向けた業務レポートや戦略的ダッシュボードの作成といったデータ担当者の作業を支援する。「Data Discovery」(データディスカバリー)、「Dashboards」(ダッシュボード)、「Stories」(ストーリー)、「Signals」(シグナル)、「Data Prep」(データ準備)といったコンポーネントで構成されている。シグナルは、ダッシュボードで見逃された情報を扱う。
ツールを切り替える必要性
分析ツールの切り替えは大掛かりな作業となり、その労力に見合わない場合がある。特に特定ツールに多くの時間や資金、データを投じている場合はそうなる可能性が高い。あるベンダーから別のベンダーに移る前に、問題の根本原因が社内にないかどうかを確かめる必要がある。そうしなければ、新しいベンダーに変えても同じことで再び悩まされることになる。
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