「League of Legends」で知られるRiot Gamesは、同社が提供するゲームの多様化に伴い、データの所有者や目的が不明瞭になる課題を抱えていた。どのように解決したのか。同社のデータマネジメント責任者に聞いた。
「League of Legends」(リーグ・オブ・レジェンド)は世界中にプレイヤーを抱えるオンラインゲームだ。開発元のRiot Gamesは、このゲームが生み出すさまざまなデータを管理する必要がある。管理対象のデータは、ゲームやプレイヤーに関するデータだけでなく、ビジネスに必要なデータも含む。そのため同社は、データの所有権など、データのガバナンスに関するさまざまな課題に対処しなければならない。
Riot Gamesでデータマネジメントを担当するのは、データガバナンスの技術製品マネジャーを務めるクリス・クデルカ氏だ。「当社は成長し始めるにつれ、データ所有権の問題を抱えるようになった」とクデルカ氏は語る。同社では従業員がデータを収集、把握して「プレイヤーに利益をもたらすように」(同氏)データを管理していた。
そうした中、Riot Gamesの前に立ちふさがったのが「企業内のデータの所有者は誰か」「データの本来の目的は何か」といったことが不明瞭になっていくという課題だ。「Legends of Runeterra」「VALORANT」など同社が提供するゲームの種類が増えたことも新たな課題の原因となった。こうした背景から、同社は複数のゲームにわたるデータマネジメントに加えて、特定のゲームごとに異なるデータへのニーズを把握する取り組みを始めた。
クデルカ氏は「自社が所有するデータがどのようなもので、それら全てを分類するにはどうすればよいのかを見極めることが、繰り返し発生する懸念だ」と指摘する。Riot Gamesはこの問題に対処するために、まずはデータの所在、意味、型などのメタデータの集合体であるデータディクショナリを使うことにした。だがデータディクショナリには拡張性がなく、より優れた手段を探さなければならなくなった。
Riot Gamesはメタデータを最新状態に維持するべく、新たな技術に目を向け始めた。「われわれが必要としていたのは、自社内で『信頼できるデータソース』として機能し、信頼できるデータを提供する一元管理型の手段だった」とクデルカ氏は語る。
こうした背景から、Riot Gamesは2017年にデータマネジメントベンダーAlationのデータカタログ「Alation Data Catalog」を導入することにした。データカタログとは、データを扱いやすくするためにメタデータを管理する仕組みのことだ。同時にRiot Gamesは、それまで利用していたデータウェアハウス(DWH)ベンダーVertica Systems(現Micro Focus)やビジネスインテリジェンス(BI)ベンダーTableau Softwareなどのアプリケーションは引き続き利用するようにした。その後2019年に、Alation Data Catalogを土台にデータガバナンス戦略を立ち上げた。
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