失敗しない「ERP」導入のポイント
「ERP」の要件分析から巻き込むべき“4人のキーパーソン”とは?
自社に適したERPシステムを選定・導入するには、しかるべき利害関係者を巻き込むことが重要だ。誰を巻き込めばよいのか。
「ERP(統合業務)システム」の導入プロジェクトを成功させるためには、プロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーは主な利害関係者を早い段階でプロジェクトに巻き込むことが重要だ。まず新しいERPシステムの要件について、主な利害関係者の意見を取り入れることが必要になる。
ERP要件分析で巻き込むべき利害関係者
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プロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーはさまざまな事情から、この作業を先送りにしたいと考えがちだ。そうした感情を抑え込み、主要な利害関係者を要件分析の段階で巻き込むようにしてほしい。要件分析には技術要件だけでなく、コストや契約、プロジェクトのスケジュールなど技術以外の要件についての分析も含まれる。
では誰をERPシステム導入プロジェクトに巻き込めばいいのか。要件分析段階で関与してもらうべきなのは、次の利害関係者だ。
利害関係者1.CEO
企業のリーダーであるCEOは、大きなERPシステム導入プロジェクトに明らかな関心を示す可能性がある。ビジネスにおけるニーズやコスト、影響を理解して経営計画を変更し、新しいERPシステムが仕事環境をどのように改善するかを知りたいと考えるだろう。
利害関係者2.経営幹部
経営幹部は予算やリソース配分について意見を持っている可能性がある。新しいERPシステムが、自身の管轄下にある部署や事業部に所属する従業員にどのような影響を与えるかという観点で物事を見るため、特殊な要件を唱えることもあり得る。
利害関係者3.従業員
一般的に従業員にはERPシステム導入プロジェクトに関する決定権はない。ただし新しいERPシステムが自身の日常業務にどのような影響を及ぼすかについて意見を唱える可能性がある。新しいERPシステムを強力に支持する従業員を見つければ、その従業員は貴重な意見やフィードバックを提供して、同僚の賛同を得るために尽力する頼もしい存在になるだろう。
利害関係者4.IT部門
IT部門は概して、ERPシステム導入プロジェクトをけん引する役目を担う。少なくとも実装と運用開始後のサポートの段階では主要な利害関係者になる。IT部門は社内で運用中のシステムについて独特の視点を持つ。他のシステムの導入や運用に携わった経験に基づいて、要件分析に含めるのが望ましい技術要件とセキュリティ要件に関する知識を提供できる。
主要利害関係者を巻き込むメリット
一般的な主要利害関係者は上記の通りだ。プロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーはこれらに加え、自社固有の利害関係者とプロジェクトの具体的なニーズを見極めることも忘れないようにする。関心事項は利害関係者によって異なるため、主要利害関係者からサポートと支持を得るには、全ての関係者のニーズを酌んだ戦略を策定することが重要だ。
要件分析段階で主要利害関係者を巻き込むことで、さまざまなメリットを享受できる。具体的には次のようなメリットがある。
- ビジネス部門の賛同が得られる
- 重要な要件を確実に取り入れることができる
- 全社レベルで新しいERPシステムのサポートを確立できる
変更管理の観点では、特定のプロジェクトに参画したときの方が、エンドユーザーは新しい技術やプロセスを進んで取り入れる傾向がある。プロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーにとって、全ての利害関係者を巻き込み、しかるべき利害関係者に漏れなく意見を述べてもらうことは難しい。それでも利害関係者から定期的に最新の情報を入手して、利害関係者にとって重要な要件を拾い上げる努力をすることが不可欠だ。
主要関係者を巻き込まないことで生じるリスク
主要利害関係者を巻き込まないことで生じるリスクは大きい。例えば次のようなリスクがある。
- 主要利害関係者からERPシステム導入プロジェクトに対するサポートが得られず、プロジェクトを軌道に乗せることができない
- 主要利害関係者がERPシステム導入プロジェクトを成功に導く上で障害となり、プロジェクトが頓挫しかねない
- プロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーが重要な要件を見落とし、自社のニーズに合わないERPシステムを導入してしまう
- プロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーが適切なトレーニングを実施できないことが原因で、混乱やデータ品質の問題が発生し、新しいERPシステム自体の廃止を望む声につながる
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