ある調査によると、SAPは“ティア1”ERP市場をリードし続けているが、OracleとMicrosoftが追い上げを見せている。Inforも躍進しており、この市場では明らかにディスラプション(創造的破壊)が起こっている。
「SAPは、“ティア1”ERPソフトウェアシステム市場で依然として首位に立っている。だが最近では、この市場の戦いは互角の様相を呈するようになっている」。ERPコンサルティング会社のPanorama Consultingは、最新のレポート「Clash of the Titans 2019(タイタンの戦い2019)」でそう指摘している。
Panorama Consultingは、ERP市場を「ティア1」「ティア2」「ティア3」の3つのセグメントに分類しており、ティア1ベンダーの製品の使用状況などを分析した年次レポート「Clash of the Titans」シリーズを毎年公開している。ティア1では、多様な機能をサポートする大規模かつ複雑なソフトウェアが最も高い価格帯で販売され、ティア2では、規模や複雑さなどの面でミッドレンジのソフトウェアが次に高い価格帯で販売され、ティア3では、これら以外の幅広いソフトウェアが最も低い価格帯で販売されている。
Clash of the Titans 2019レポートは、ティア1ベンダーであるSAP、Oracle、Microsoft、Inforのユーザー263社を対象に、各社の製品やサービスの使用体験を調査し、結果をまとめたものだ。この263社のうち30%がSAP、29%が「Microsoft Dynamics」、25%がOracle、16%がInforのユーザーだった。
レポートには、ERP市場におけるティア1ベンダー間の競争は「すぐには収束しないだろう」という記載がある。さらに「ベンダー各社は、顧客がERP製品を選択する際に検討すべき強みを持っている」と付け加えている。
レポートによると、ティア1 ERPベンダー各社の強みは以下の通りだ。
レポートは、ティア1 ERP市場でディスラプション(創造的破壊)が起こっていることを伝えている。「全てのベンダーがクラウドへの移行を進めているが、その方法はベンダーによってさまざまだ」と、Panorama Consultingのソフトウェア選択マネジャーを務めるクリス・デボールト氏は語る。
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