コミュニケーションツールを複数併用する際のチップス【前編】
なぜコミュニケーションツールは統一できないのか 放置したら起きる“災厄”は
大抵の企業はなし崩しで複数のコミュニケーションツールを併用している。IT部門が事態を黙認して管理しないままでいると、いずれ「バベルの塔」の神話のような大混乱が起きる。
大抵の企業は複数のコミュニケーションツールを併用している。ただし意図的にそうしているのではない。
IT部門は「組織で使うツールは1種類だけにしたい」と考えているものだ。従業員全員が同じツールを使っていれば、管理するベンダーは1社で済み、ユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー経験価値)に一貫性をもたせることができる。IT部門がなぜこう考えるかといえば、ツールのコストを負担し、従業員に提供し、管理するのは一般的にIT部門だからだ。
チームで使うコミュニケーションツールの場合は事情が違ってくる。
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コミュニケーションツールを1つに絞れない理由と、放置が招く“災厄”とは
コミュニケーションツールは基本的にクラウドサービス版がある。大抵は無償で利用できる簡易版があり、事業部門はIT部門を介さなくても導入できる。最近のコミュニケーションツールはユーザーフレンドリーな作りになっているので、従業員の誰でも簡単にアクセスして自分なりのやり方で業務利用できてしまう。
誰でも同じように使える便利なコミュニケーションツールをIT部門が用意できるなら、従業員が独自にコミュニケーションツールを導入することは起きにくい。だが残念ながら現実は違う。「IT部門にはイノベーションの実績がないから、技術に精通した事業部門が独自に動いた方がうまくいく」と考えて、あえてIT部門に頼らない組織もある。これは理想的なシナリオではない。
さまざまなコミュニケーションツールが市場に乱立していることも、事態を複雑化させている。ビジネスチャット機能を軸にしたコミュニケーションツールもあれば、電話やメールといったレガシーなコミュニケーションツールを集約した「ユニファイドコミュニケーション」(UC)製品もある。それぞれに異なる魅力があり、他のコミュニケーションツールに足りない部分を補完できることもあるが、重複する機能も多々ある。
従業員が継続的に使って馴染(なじ)んでしまうと、コミュニケーションツールの乗り換えは難しくなる。IT部門が企業全体で使うコミュニケーションツールを1つだけにしている場合はなおさらだ。
コミュニケーションツールを使って社外関係者とやりとりする従業員にとっては、会社ごとに使っているツールが異なることがあるため事態はさらに複雑になる。こうした不確定要素が積み重なって、人の言語がばらばらになったことで意思疎通が難しくなった「バベルの塔」のような厄介な状況が起きてしまうと、混乱を収めるのは難しくなる。IT部門が積極的に管理しなければ、従業員はチームで効率的に作業することよりも、複数のコミュニケーションツールを切り替えることに時間を奪われ、生産性が低下する恐れがある。
この問題を解決する方法を正しく理解するには、IT部門とエンドユーザーが直面している課題を考慮する必要がある。中編は、両者の課題を解説する。
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