TechTarget発 世界のITニュース
FBI、暗号化チャットの“わな”で国際犯罪を一斉摘発 数年にわたって傍受
FBIは、「安全に情報のやりとりができる」と見せかけた暗号化チャットサービスを運営し、世界中の犯罪者を呼び寄せた。欧州やオーストラリアの警察と手を組んだ“異例の作戦”はどのようなものだったのか。
米連邦捜査局(FBI)は2021年6月、世界中の犯罪者が使っていた偽の暗号化チャットサービス「ANOM」を廃止した。
ANOMは通信が法執行機関による取り締まりに引っ掛からないサービスとして、犯罪者から人気を集めていた。ただしこのサービスは、犯罪者を呼び寄せる“トラップ”として米国、欧州、オーストラリアの警察が開発し、運営していたものだ。
犯罪グループの活動を“筒抜け”にした仕組み
併せて読みたいお薦め記事
システムの安全を守るための基礎知識
セキュリティ関連のFBIの活動について
2018年、警察は暗号化チャットサービスのプロバイダーであるカナダのPhantom Secureを摘発した。警察はそれを機に、Phantom Secureのサービスを基にしてANOMを立ち上げ、過去にPhantom Secureを使っていた人をはじめ、犯罪者への販売を始めた。犯罪者のネットワークを構築することが目的だった。ANOMの利用者は通信が安全であると考えていたが、警察は全てのやりとりを傍受し、記録することができた。
米司法省(DOJ)によると、ANOMのネットワークにはサービス停止時、犯罪者の約1万2000台の端末が接続していた。FBIは、ピーク時には300組織以上の犯罪グループがANOMを使用していたと見積もっている。中にはイタリアの組織犯罪、オートバイに乗ったギャング、複数の国際的な麻薬密売組織もある。
警察は「Operation Trojan Shield」または「Operation Ironside」と名付けたANOMの摘発作戦で、8トンのコカイン、22トンの大麻、2トンのメタンフェタミン、その他の麻薬成分や銃を押収した。米国政府は長い間、犯罪の温床になっている暗号化通信を使うアプリケーションに対抗してきた。今回のANOMの取り組みは、警察が暗号化通信を提供する異例のものだった。
DOJは声明で次のように説明する。「Operation Trojan Shieldは大規模、革新的な戦略、技術活用といった点で前例のないオペレーションだった。暗号化は普段、犯罪者が法執行機関の目を盗むための手段だが、今回は逆の効果を発揮した」
Operation Trojan Shieldには、FBIとDOJの他、オーストラリア連邦警察(AFP)、国際刑事警察機構(インターポール)、オランダやリトアニア、スウェーデンの警察が参加した。AFPは「Operation Trojan Shieldは約3年前の2018年に始まり、長期にわたって国際的な秘密捜査を実施してきた。AFPはFBIと密に連携し、今回の成功に至った」と述べる。
TechTarget発 世界のITニュース
新製品・新サービスや調査結果、セキュリティインシデントなど、米国TechTargetが発信する世界のITニュースをタイムリーにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のITニュース
新製品・新サービスや調査結果、セキュリティインシデントなど、米国TechTargetが発信する世界のITニュースをタイムリーにお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー