Apple「App Store」の“光と影”【第1回】
EUはなぜAppleに警告したのか? 「App Store」の“あの慣行”を問題視
EUの欧州委員会は「App Store」をめぐって、Appleに反トラスト法違反の疑いがあると警告した。欧州委員会は、App Storeの何を問題視したのか。
2021年4月、欧州連合(EU)の欧州委員会はAppleに対して、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いがあると警告する「意義告知書」を送付した。アプリケーションストア「App Store」を通じた音楽ストリーミングアプリケーションの配信をめぐって、Appleが市場における独占的な地位を乱用したとEUは主張している。
EUはAppleの「2つの慣行」を問題視 「他のGAFA訴訟より影響大」との声も
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EUの反トラスト法執行機関である欧州委員会は、Appleの音楽サービス「Apple Music」と競合する音楽ストリーミングアプリケーションに対する、App Storeの2つの慣行に照準を据えた。
第一にAppleは、開発者がApp Storeを通じて音楽ストリーミングアプリケーションを配信する条件として、Appleのアプリケーション内決済の仕組みを使うことを義務付けている。その仕組みには、Appleに対する30%のユーザー手数料を含む。第二にAppleは開発者に対して、アプリケーションをもっと安く入手できる他の方法を消費者に開示することを阻止している。
欧州委員会で競争政策を担当するマルグレーテ・ベステアー執行副委員長はプレスリリースの中で、アプリケーションストアは「現代のデジタル経済において中心的な役割を果たしている」と指摘。「Appleの高額な手数料と透明性の欠如は、市場力の乱用に当たる」と主張した。
Apple MusicでAppleは、音楽ストリーミングサービス運営者とも競合している。競合の音楽ストリーミングサービスが不利益を被る厳しいルールをApp Storeに設けることで、「Appleはもっと安い音楽ストリーミングサービスの選択肢を消費者から奪い、競争をゆがめている」とベステアー氏は述べる。
今回の警告は、特定の問題に照準を絞ることで、反競争的行為を明確かつ直接的に立証できるというのが専門家の見方だ。その点で、Google、Apple、Facebook、 Amazon.comの大手4社(GAFA)をはじめとする大手IT企業に対して起こされた、他の反トラスト法違反訴訟よりも影響力は大きいと専門家は主張する。
「EUによるこの行動は効果があると考えられる。しかもAppleの対応は遅れている」。ボストン大学(Boston University)の経営大学院であるQuestrom School of Businessのマーシャル・ファン・オルスタイン教授はそう解説する。現時点ではまだ正式な異議告知であって、訴訟には至っていない。それでも「非常に具体的であり、消費者の被害を証明できるだけでなく、明らかな是正策がある」とオルスタイン氏は語る。
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