「ITスキルギャップ」を埋める方法【第3回】
優秀なIT人材が逃げる“駄目な求人票”とは?
企業は自社にとっての理想的な人材を求めて求人票を出す。求める要件を明記することは大切だが、欲張り過ぎると社内の「ITスキルギャップ」を加速させてしまう可能性がある。それはなぜなのか。
第2回「IT人材の争奪戦も影響? 『ITスキルギャップ』が深刻化する原因は」は、企業がIT人材に求めるスキルと企業内の実際のスキルとのギャップである「ITスキルギャップ」を引き起こす要因を紹介した。第3回の本稿は、ITスキルギャップが企業のビジネスに及ぼす影響を解説する。
企業は概して、少ない労力で多くの見返りを得ようとする。採用においても同様だ。採用人数を抑えたいがために、複雑な役割を複数担当できる人材を求める。
「ITスキルギャップ」を深刻化させる“駄目な求人票”
求職者がIT関連の求人を探していると、スキルや経験に関する要件を細かく並べ立て、極めてニッチで非現実的な人材を求める求人広告を見かけることがある。IT関連スキルを持つ求職者からすると、こうした求人票は、採用担当者がどの要件を「必須」要件と考え、どの要件を「あればよい」要件だと考えているかが分かりづらい。
「要件のカバー範囲が広過ぎて非現実的だ」と感じた場合、求職者はその求人が自らにとって大きなチャンスだったとしても、簡単に応募を見送る可能性がある。反対に必須スキルが不足する求職者が応募するケースもある。
こうした背景から採用担当者は、次の3つの問題を抱えがちだ。
- 応募資格がない、または応募資格が不足している求職者の応募により、採用スピードが遅くなる。
- 求人に応募する候補者が少ないため、評価選別できない。
- 求める人材の需要が多く、支払わなくてはならない給与が高くなる。
必要な人材を採用できず求人が長引くと、ビジネス全体に影響を及ぼす可能性がある。ポジションに空きがあれば、ITチームの効率は低下する。既存のプロジェクトは遅れ、新規プロジェクトの立ち上げは失敗する恐れがある。その結果、新製品の市場への投入が遅れ、競争上の優位性が低下し、ビジネスの重要な収益が失われる。
ITチームには、少ない人数で多くのことを実現するという負担が重くのしかかる。こうした状況は、仕事の満足度を下げ、燃え尽き症候群を生み出す。さらにはスキルを有する従業員の退職につながる。そしてITスキルギャップの問題はさらに悪化する。
必要とする人材を自社が支給できる範囲の給与で見つけられない場合、企業はどうすればよいか。その具体策となり得るのが、アウトソーシングをはじめとする社外リソースの活用だ。ただし利用の際には注意すべき点がある。次回は社外リソース活用の利点と課題を説明する。
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