BYODの次は「BYOI」【後編】
個人IDを職場で使う「BYOI」を失敗せずに導入する方法とは?
消費者向けインターネットサービスで広く使われている「ソーシャルログイン」と同類の仕組みを企業内で実現する「BYOI」。実現するためにはどうすればよいのか。3つのポイントを紹介する。
私物デバイスを業務利用する「BYOD」(Bring Your Own Device:私物デバイスの業務利用)の延長線上で、個人IDも仕事に使う「BYOI」(Bring Your Own Identity)が注目を集めている。前編「『BYOI』とは? 端末だけじゃなくIDも『私物を職場で活用』の波」に続き、後編となる本稿は3つのポイントを中心に、企業がBYOIを実現するための要点を紹介する。
「BYOI」に不可欠な“3つのポイント”とは?
企業は、プライベートのインターネット理由で普及している「ソーシャルログイン」(Google、FacebookなどサードパーティーID/パスワードの転用)と同様の仕組みを導入すれば、ログイン作業の手間を減らせる。シングルサインオン(SSO)の「外部システムに使えない問題」を解決することも可能だ。この仕組みを実現するには、企業がIDを発行・管理する「IDプロバイダー」になり、従業員に外部システムと連携させた“スーパーID”を発行する。
BYOIを実現する上で、企業は次の3つのポイントを意識して取り組むことが大切だ。
1.IDプロバイダーの活用
企業はBYOIを実現するために、外部のIDプロバイダーを使用することができる。ほとんどの企業はすでにIDプロバイダーを使い、IDを管理している。自社でIDを発行するためのシステム構築は手間がかかり、移行や拡張に関してさまざまな問題が生じる可能性がある。そう考えれば、自社で仕組みを作るより、やはり既存のIDプロバイダーを活用した方が合理的だと考えられる。
2. 双方向の信頼
外部のIDプロバイダーを活用してBYOIを実現する際、企業はIDプロバイダーとの双方向の信頼を構築することが重要だ。まず自社とIDプロバイダーが「従業員が使っているIDは検証されており安全だ」ということが分かる必要がある。加えて従業員にも「ログイン先が信頼できる相手だ」という安心感を与えることが欠かせない。企業はこのように双方向の信頼を保つことによって、セキュリティ向上につなげることができる。
3. ID管理ツールの導入
一部の企業は、従業員が個人で使っているGoogleやPayPalなどのIDを仕事にも使えるようにし、BYOIを最大限に推し進めている。だが、これはあくまで一部の企業に限られた動きであり、まだ一般的ではない。BYOIを普及させるためには、BYODと同じように、ID管理ツールの導入が鍵を握る。個人IDの安全な利用を可能にし、接続するシステムを侵害から守らなければならない。
あなたの勤務先はBYOIの活用を考えたことがあるだろうか。ないならば新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によって働き方が大きく変わっている「今」が、検討の絶好のチャンスだ。オンライン認証技術の標準化を目指すFIDO Allianceが個人IDの安全運用向上に取り組んでいることもあって、さまざまな面でBYOI導入のハードルが下がりつつある。
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