宇宙の商業化を支えるコンピュータ【前編】
宇宙からのクラウドバースト? 国際宇宙ステーション(ISS)のゲノム解析方法
国際宇宙ステーション(ISS)に電子レンジサイズのコンピュータが配備され、人類の未来を担う、ある研究が進んでいる。宇宙で膨大なデータを扱うその仕組みとは。
宇宙空間に長期的に滞在することが、人にどのような影響を及ぼすのかを調べるための実験が進んでいる。この取り組みのために、国際宇宙ステーション(ISS)はHewlett Packard Enterprise(HPE)のエッジコンピューティングシステム「Spaceborne Computer-2」を搭載している。
Spaceborne Computer-2は2021年2月にISSに配備され、2、3年にわたってISSで稼働する。宇宙空間で膨大なデータをどのように扱っているのか。
宇宙で機械学習をする仕組み 地球への「バースト」も
電子レンジサイズのSpaceborne Computer-2は、エッジコンピューティング用サーバ「HPE Edgeline EL4000」と、汎用(はんよう)サーバ「HPE ProLiant DL360」を使用している。Spaceborne Computer-2は人工衛星やカメラからデータを取り込み、機械学習に使用する。高負荷のデータ処理ができるようにGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)を搭載している。
ISSに配備するコンピュータだけで処理し切れない場合は、クラウドサービス群「Microsoft Azure」に接続し、一時的にクラウドサービスのリソースを使用する「クラウドバースト」ができるようにしている。
Microsoftのブログ記事によれば、ISSからのクラウドバーストは放射線被ばくが宇宙飛行士の健康に及ぼす影響を計測する用途で、必要に応じて使われるという。宇宙飛行士は自身のゲノム(遺伝情報)を取得し、異常が発生しているかどうかを分析する。突然変異の有無、その変異による任務への影響、地球に帰還して直ちに治療する必要があるかどうかなどを主に調べる。
「世界規模の遠隔医療を視野に入れた究極のテストでもある」とMicrosoftはブログに書いている。
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