活発化する中堅・中小企業狙いのサイバー攻撃【後編】
中小企業で「RDP」攻撃が活発化 カスペルスキーが考える理由とは?
世界の中堅・中小企業をサイバー犯罪者が狙っている。システムを守るために、特にどのような脅威に対して注意が必要なのか。Kaspersky Labの調査を踏まえて考える。
セキュリティベンダーKaspersky Labは、中堅・中小企業を狙ったサイバー攻撃が急増していると警鐘を鳴らす。同社の調査を基に、最近のセキュリティ動向を追う。
中堅・中小企業で「RDP」はなぜ狙われるのか
併せて読みたいお薦め記事
連載:活発化する中堅・中小企業狙いのサイバー攻撃
パスワードはセキュリティのリスクになりかねない
Kaspersky Labはインターネットを悪用したサイバー犯罪(悪意のあるWebサイト、強制的なリダイレクト、Webブラウザの乗っ取りなど)の件数を調査した。2022年1月~4月における中堅・中小企業へのインターネットを悪用したサイバー攻撃件数は、前年同期の3250万件から約9%増の3540万件となった。
調査結果の詳細をKaspersky Labは公開していないが、米TechTargetは独自取材で国別のデータを入手した。それによれば、2022年1月~4月にサイバー攻撃が活発だったのはフランス、ドイツ、英国を中心とした西欧諸国だ。ただし、この傾向は以前からあり、サイバー攻撃件数は前年同期とほぼ変わらなかった。一方で増加率が高かった国は米国、チリ、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、チュニジア、エジプト、インドネシアだ。これらの国ではサイバー攻撃件数が前年同期比で2倍以上に増えた。
Kaspersky Labは、リモートデスクトッププロトコル(RDP:Remote Desktop Protocol)へのサイバー攻撃についても調べた。RDPは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)とともに利用が広がり、サイバー犯罪者にとって格好の標的となった。Kaspersky Labによると、中堅・中小企業を標的にしたRDPへのサイバー攻撃件数は2022年1月~4月、全世界において前年同期比で微減となった。ただし、米国では前年同期の4750万件から5100万件へと約7%増加した。
RDPへのサイバー攻撃についてKaspersky Labは調査データを月別に集計し、2022年1月、2月、3月のそれぞれのデータを、前年同月のデータと比較している。
米国は2022年1月~3月に毎月、RDPへのサイバー攻撃件数が前年同月を大きく上回った。この3カ月のうち、サイバー攻撃件数が前年同月比で増えた月が1カ月または2カ月ある国には、ブラジル、チリ、イタリア、オランダ、英国がある。米国とブラジルはそれぞれ、2022年1月のRDPへのサイバー攻撃件数が前年同月比で500万件以上増加した。チリ、イタリア、オランダ、英国はいずれも、RDPへのサイバー攻撃件数の増加幅が100万件強となった。
2022年1月~3月、RDPへの攻撃の減少が最も大きかった国や地域は韓国、香港、インドネシア、インド、イラン、ペルーだ。これらはいずれも、攻撃件数の減少幅が100万件を超えた。香港、インド、イランにおける2022年1月の攻撃件数は、前年同月比でほぼ半減した。
Kaspersky Labのセキュリティ研究者、デニス・パリノフ氏は、「パンデミックが発生し、企業がテレワークに切り替えると、すぐにRDPへのサイバー攻撃が増加した」と述べる。テレワークが定着してもRDPのセキュリティ対策が不十分な企業もあると同氏は説明する。Kaspersky Labは今後もサイバー攻撃は増加すると見込んでいる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社kickflow] 2社の事例に学ぶワークフロー改革:属人化解消や年数万件の申請書類削減のコツ -
製品資料
[NTTPCコミュニケーションズ株式会社] 「回線速度不足」だけが原因ではない? Web会議の遅延を解決する方法とは -
製品資料
[東京エレクトロン デバイス株式会社] 工場の可用性向上に重要な「7つの領域」と対策 OTセキュリティ強化の基礎知識 -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 問い合わせ対応で本来の業務が進まない、総務や情シスの負担をどう減らす? -
製品資料
[リコージャパン株式会社] 自社データから高精度な回答を生成、簡単に生成AIチャットボットを構築する方法
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
全社標準Copilotに絶望? MS Copilotで問い合わせ6割減できた企業は何が違った
-
2
ITエンジニア1265人調査 生成AIを使い込むほど「人の確認」が重い理由
-
3
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
4
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
5
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
6
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
7
APIキー奪取から3時間でクラウド掌握 Anthropicが暴いた「バイブハッキング」の現実的な防御策
-
8
「Wi-Fi 7」は何がすごい? Wi-Fi 5、Wi-Fi 6からの抜本的な進化とは
-
9
全社標準「Copilot」にダメ出し? 現場の8割が不満を抱く“致命的な欠点”
-
10
【漫画付き】"RAG導入失敗3例"と処方箋 「入れても使われない」を終わらせる
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
6
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
7
「スクラム」と「カンバン」の違いとは? アジャイル型開発手法を徹底比較
-
8
AI時代に成功するための「ナレッジマネジメント」ベストプラクティス
-
9
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー