Kaspersky Labによれば中堅・中小企業を標的にしたサイバー攻撃が勢いを増している。特に急増しているのは「PSW」というサイバー攻撃だという。その実態とは。
中堅・中小企業を狙う、「PSW」(Password Stealing Ware)をはじめとしたサイバー攻撃が2021年から2022年にかけて急増している。セキュリティベンダーKaspersky Labが2022年5月に発表した調査結果で分かった。
PSW(パスワード窃盗型トロイの木馬)は、標的のマシン内にあるパスワードやIPアドレスといったデータを収集し、攻撃者に送信するトロイの木馬(潜伏型マルウェア)だ。Kaspersky Labは2022年1月〜4月を対象期間として、PSWの検出数や、リモートデスクトッププロトコル(RDP:Remote Desktop Protocol)へのサイバー攻撃件数を前年同期と比べて分析。中堅・中小企業のシステムに入り込んだPSWの検出が飛躍的に増えた他、他の種類のサイバー攻撃も増加した実態を明らかにした。
中堅・中小企業に対するサイバー脅威の中で最も増加しているのは、PSWだとKaspersky Labは言う。同社によれば、中堅・中小企業を狙ったPSWの2022年1月〜4月の検出数は、400万3323件だった。前年同期の302万9903件から100万件弱(約32%)増えた。
これらのサイバー脅威についてKaspersky Labは国別にも調査した。そのデータは非公開だが、米TechTargetは独自取材で入手した。それによると、PSW攻撃の増加が目立っている国は米国、カナダ、メキシコ、コロンビア、ブラジル、ロシア、ハンガリー、セルビアだ。その一部の数字は下記の通り。
倍率を見ると、特に増加したのはハンガリー、セルビア、コロンビアの3カ国だった。
後編は、インターネットを悪用したサイバー犯罪とRDPへのサイバー攻撃の動向を紹介する。
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