クラウド資産管理の5ステップ【後編】
「クラウドの無駄」を洗い出すにはまずライセンスの“あれ”に着目すべし
IT資産管理は単に所有するハードウェアやソフトウェア、ライセンスを把握するだけでなく、内部統制やセキュリティの強化に不可欠だ。クラウドサービスの資産を効率的に管理するには、新しいアプローチが必要になる。
クラウドサービスのIT資産(以下、クラウド資産)を効率的に管理するには、従来のIT資産管理の考え方や機能を発展させる必要がある。具体的なプラクティスとして、本稿では「ライセンスと価格設定の見直し」「複数ツールの使用」について解説する。
4.ライセンスと価格設定の見直し
併せて読みたいお薦め記事
連載:クラウド資産管理の5ステップ
クラウドで節約する方法
クラウドサービスのリソースおよび資産とログをひも付けることは、ライセンスとアプリケーションのコスト管理の基準になる。このプロセスにより、ソフトウェアライセンス条項で規制を受ける各ライセンスの使用やデプロイメントが明らかになることがある。これはアプリケーションだけでなく、クラウドサービスにデプロイしているミドルウェアにも当てはまる。
この時点でクラウド資産とアプリケーションの関係を確認可能になるため、各アプリケーションのセキュリティとガバナンスを見直すのに適したタイミングになる。クラウド資産とアプリケーションの関連付けは、投資対効果の検討にも有効であるため、価格と請求に関する方針を評価するのに最適なタイミングだ。
オンプレミスシステムとクラウドサービスを併用する「ハイブリッドクラウド」にホストしているアプリケーションも、このステップで特定する。
パフォーマンスを最適化するには、クラウドリソースのコストとアプリケーションのパフォーマンスレベルの比較評価が不可欠だ。このステップでは、クラウドリソースの請求とアプリケーションのパフォーマンスレベルの時間的な相関関係を特定する。
前者はクラウドサービスの請求とアプリケーションの関連付けによって、後者は「アプリケーションパフォーマンス監視」(APM)ツールから入手できる。IT資産管理ツールでデータセンターの資産を管理しているのであれば、データセンターとクラウドサービスで共通するアプリケーションの関連付けによって、異なるインフラにまたがるデータも関連付けることができる。
この過程では、クラウドサービスのログ記録とAPMツールをAIツールで補完して分析可能にすることを目的とする。ただし、AI(人工知能)技術はテクノロジーであって目標ではないため、ミッションに最適なツールを選択することが重要だ。
5.複数ツールの使用
クラウドサービス関連のツールは提供元のクラウドベンダーに最適な仕様になっていることが一般的で、複数のクラウドサービスを利用する「マルチクラウド」やハイブリッドクラウドに適合するのは難しい。これは資産管理アプリケーションにとって非常に重要なことだが、企業が選択肢を検討する際に忘れられがちなことだ。
一般的な企業のクラウド資産管理に伴う問題に、1つのツールで対処するのは難しい。複数のツールを組み合わせてプロセスを厳密に制御することが不可欠だ。プロセスを制御しなければ、使用するツールの数に関係なく、パフォーマンス、コスト、ガバナンスの問題が生じるのは避けられないだろう。
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