Google Cloudの正しい節約方法とは? 最大91%節約できる「Spot VM」を解説Google Cloudのコスト削減術【前編】

「Google Cloud」にはコストを抑えるために有効なツールやサービスが幾つか存在する。ベストプラクティスを理解して上手に節約しよう。

2024年02月02日 05時00分 公開
[Will KellyTechTarget]

 企業がクラウドサービスを利用する際、特に気になるのはコストだろう。初期費用が抑えられたとしても、作業負荷によっては継続的な管理が必要になるためコストが膨らむ。

 クラウドサービス群「Google Cloud」はコストを最適化するためのツールやサービスを用意している。運用負荷を抑えるためのサービスやベストプラクティクスにはどのようなものがあるのか見ていこう。

最大91%節約できる仮想マシン

 Google Cloudには通常の仮想マシン(VM)サービスに比べて価格を抑えたVMサービスが存在する。「プリエンプティブル仮想マシン」(以下、プリエンプティブルVM)だ。プリエンプティブル VMは、「Google Compute Engine」(GCE)で利用できる通常のVMと性能は変わらない。GCEの余剰リソースを使うために、割引料金で利用できる仕組みだ。その代わり、Googleから停止通知を受けた30秒後にVMが停止される可能性があるという制限がある。

 Googleからの停止通知にかかわらず、デフォルトのプリエンティブルVMは有効期限が最長24時間までとなっている。だが、プリエンティブルVMの一種である「Spot VM」なら有効期限が定まっていない。

 Spot VMは、標準VMの価格に比べて60%から91%の割引が受けられる。ユースケース(想定される利用例)としては、バッチ処理やテストといった、短時間または自己修復型の処理の実行がある。

予算とアラートの導入

 Google Cloudには、備え付け(ネイティブ)の管理ツールを使って、予算や予算アラート(予算を超えた場合の通知)を設定する機能がある。この機能を使う前に、最初のステップとしてクラウドサービスと財務の利害関係者を集めて、組織のクラウドサービス支出に関する明確な目標と期待値を設定してドキュメント化する必要がある。その後、企業の管理者は以下の行動を取るべきだ。

  • 使用量または合計コストに基づいて予算を設定する
    • 予算は正確な使用量やコストに基づいて組むべきだ。Google Cloudでは、異なる目的のために複数の予算を設定できる。管理コンソールの「Google Cloudコンソール」を利用すれば1カ所で複数の予算を確認できる。予算や予算アラートに関する機能を集約したAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)の「Cloud Billing Budget API」を用いることで、効率的に予算を作成して管理できる。
  • アラートを作成する
    • 支出が特定のしきい値に達したときや予算を超えたときに通知を受け取るためのアラートを設定する。Google Cloud コンソールで設定するか、クラウドサービスのモニタリング用API「Cloud Monitoring API」を使用してアラートを作成する。オプションでアラート設定をカスタマイズして、メールやテキスト、グループチャットで予算に関する通知を受信できる。
  • 傾向を把握する
    • 予算通知を使用して、組織のクラウド支出の傾向を特定する。クラウドサービスに必要な最適化を適用する。
  • 監視する
    • Google Cloud コンソールまたはモニタリングのダッシュボードを使用して、予算とアラートを定期的に監視し、クラウドサービスに関する支出が予算内であることを確認する。

 後編はリソースを最適化するためのベストプラクティスを紹介する。

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