PwCのデータで判明
AIが人間の仕事を“奪って”も給与が増えるのは、なぜなのか
人工知能(AI)技術がビジネスに浸透しつつある中、人間へのさまざまな悪影響が指摘されている。ところが、PwCの調査で明らかになったのは「給与が増える」ことだ。どういうことなのか。
人工知能(AI)技術の導入が従業員の給与アップにつながる可能性があることが、コンサルティング企業PricewaterhouseCoopers(PwC)の調査によって明らかになった。仕事を奪う「敵」とも見なされるAI技術がなぜ、従業員にとって利益となるのか。そして、AI技術導入によって給与を挙げるために必要なスキルとは。
仕事減で給与アップ? なるほどの理由はこれだ
AI技術を導入すれば、さまざまな業務を自動化できる。しかしその結果、人間の仕事が減り、給与面も含めた悪影響を懸念する声もある。しかしPwCによると、AI技術は従業員にとってむしろプラスに働く可能性もある。その理由は、従業員の生産性の向上によって組織の収益が増え、従業員により高い給与を支払うための余裕ができることだと同社は説明する。
PwCは2025年6月に、AI技術導入の影響を調査したレポート「The Fearless Future: 2025 Global AI Jobs Barometer」を公開した。全世界で約10億件の求人広告を分析したものだ。2022年にAI技術ベンダーOpenAIのチャットbot型AIサービス「ChatGPT」が登場したことを皮切りに、生成AIのビジネス利用が拡大。積極的に採用している業種ではAI技術の導入が売り上げや利益の向上につながったとPwCはみる。
AI技術の売り上げや利益への影響については、別の考察もある。PwCは、AI技術を積極的に導入している業種ではそうでない業種に比べて従業員の給与の伸びが速いと指摘する。その例の一つが、ソフトウェア業界だ。同社によると、ソフトウェア業界ではAI技術を使った業務の自動化や開発の効率化が進み、従業員一人当たりの収益性が向上する傾向が見られる。一方で、AI技術の利用方法が限定的だとみられる業界では、従業員一人当たりの収益性は減少傾向にあるという。
AI技術を導入すると、従業員には新たなスキルが求められるとPwCは指摘する。同社によれば、AI技術ツールの使用経験はもちろん、ツールによって得た回答をどう活用するかをよく考えたり、人ならではの付加価値を加えたりすることも重要だ。「組織は求人の際に、応募者の学歴や職歴だけではなく、AI技術に関するスキルも重視するようになった」(PwCチーフ・ピープル・オフィサーのフィリッパ・オコナー氏)
PwCのCTO(最高技術責任者)を務めるウマング・パウ氏はAI技術について、「スキルが高い人にとって大きなチャンスをもたらすが、そうでない人を取り残すリスクもある」と指摘する。同氏は、従業員に対してAI技術のトレーニングが欠かせないと述べる。「AI技術の活用が進めば新たな産業や仕事が生まれる可能性があるため、その恩恵を誰もが受けられるよう、教育や技術へのアクセスを社会全体で強化すべきだ」(パウ氏)
TechTarget.AIとは
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国Informa TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
TechTarget.AI
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー