『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者』出張版
【基本情報技術者試験】誤操作してもシステムを止めない「フールプルーフ」の設計思想
ITの基礎理論から経営・マネジメントまで幅広い知識が問われる国家資格「基本情報技術者試験」。IT担当者が直面しやすいテーマを取り上げ、図解を交えながら実践的な知識を解説します。今回は、一部の装置が故障したり、利用者が誤操作したりした場合に備えたシステム設計思想について説明します。
「基本情報技術者試験」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施し、経済産業省が認定する国家試験です。「ITエンジニアの登竜門」として知られていますが、ITの基礎だけではなく、プロジェクトマネジメントや経営戦略、関連法規、会計など、ITをビジネスに活用するための幅広い知識が問われるのが特徴です。そのため、エンジニアのみならず、企業のIT担当者やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関わるビジネスパーソンにとっても、実務に直結する知識を体系的に学べる資格として重要視されています。
本記事はSBクリエイティブ刊『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集』(高橋 京介 著)から、IT担当者が日々の業務で直面しやすい重要テーマをピックアップし、図解を交えながら解説します。今回は、一部の装置が故障したり、利用者が誤操作したりした場合に備えたシステム設計思想について説明します。
システムの信頼性と、止めない工夫
前項では、コンピュータを複数台用意することで障害に強いシステムを構築する方法を解説しました。このような、システムの障害への強さのことを「信頼性」といいます。
ユーザーが求めているのは、システムそのものではなく、システムが提供するサービスです。システム障害などによってサービスが停止すると、ユーザーは不満に思います。そのため、万が一障害が発生した場合でも可能な限りシステムが止まらないように設計することが重要です。このような観点からシステムを設計することを「フォールトトレラント」といいます。
基本情報技術者試験では信頼性を高める具体的な設計方法が出題されます。
フォールトトレラント
フォールトトレラントとは、システムが部分的に故障しても、システム全体としては必要な機能を維持する設計です。また、このような設計で作られたシステムを「フォールトトレラントシステム」といいます。フォールト(Fault)とは「障害」、トレラント(Tolerant)とは「耐性がある」という意味です。
コンピュータは電子機器なので、どれだけ丁寧に扱ったとしても、必ずいつかは故障します。このため、大切なことは「故障しないコンピュータを用意すること」ではなく、「あるコンピュータが故障しても、システムとしては稼働を続けられるようにすること」です。特に銀行や飛行機、原子力などに関わるシステムは、私たちの生活に大きな影響があるので、フォールトトレラントが重要です。
信頼性に関するその他の用語
フォールトトレラントの他にもシステムの信頼性に関する用語には次のものがあります。フォールトトレラントとの違いをきちんと把握しておいてください。
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| フェールソフト | システムの一部に障害が起きた場合に、たとえ性能が落ちたとしても、システム全体は動作させる設計。例えば、飛行機はエンジンが1つ故障しても飛行を継続できる設計になっている。なお、故障などが原因でシステムが限定的に動作している状態のことを「縮退運転(フォールバック)」という。 |
| フェールセーフ | システムに障害が起きた場合に、システムを止めてでも、安全を優先させる設計。例えば、交通管制システムが故障したときに赤色が点灯する信号機など。 |
| フールプルーフ | 人間が間違った使い方をしても、システムに異常が起こらないようにする設計。例えば、ドアを閉めないと加熱できない電子レンジなど。 |
※この記事はSBクリエイティブ刊『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)。
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