当事者が語る2年半の成果
“風通しの良い”企業はDevOpsにMicrosoft製品をどう使うのか
DevOps業務にMicrosoft製品をどのように採用しているのか。米国の自閉症・関連障害センターで最高技術責任者(CTO)を務めるアルバ・パウエル氏に話を聞いた。
開発担当者と運用担当者が連携してアプリケーション開発を進める「DevOps」。このDevOpsを採用する企業は、新製品の導入やアップグレードをどのように選択し、Microsoftとそれ以外の製品をどのように使い分けているのか。The Center for Autism and Related Disorders(CARD、自閉症・関連障害センター)の最高技術責任者(CTO)のアルバ・パウエル氏は、以下のように説明する。
CARDのソフトウェア開発チームとIT運用スタッフは全部で20~25人おり、現在は組織内用と外部用で4種類の製品を開発している。
当センターでは「Microsoft Project」や「Microsoft SharePoint」など各種Microsoft製品を利用しており、開発業務にも全面的にMicrosoft製品を採用している。ただし、複数プラットフォーム向けのアプリケーションを作成するには、Microsoft以外の製品も使う必要がある。
基本的には業務上の必要性に基づいてツールを選ぶが、使用中のMicrosoft製品に新機能が登場すると、それが選択の動機になることもある。開発チームでは常に新しい動きを注視している。
開発環境は既に「Visual SourceSafe」(SourceSafe)から後継製品の「Team Foundation Server」(TFS)へ移行し始めているが、この作業には時間がかかる。SourceSafeはファイルのライブラリを構築するソース管理ツールだ。そこに保存していた全てのソースを移すのは骨の折れる作業だが、TFSを導入するには避けられない。これが完了すれば、TFSの利点を活用できるようになる。TFSでは全ての開発ツールが組み込まれており、ファイルをMicrosoft Projectにまとめることができ、それをSharePointにアップロードすることもできる。
2016年は「Microsoft SQL Server 2012」への移行も予定している。現在は「Microsoft SQL Server 2008 R2」を使用しているが、SQL Server 2012に移行すればパフォーマンスが向上し、SharePointとも統合しやすくなる。
TFSへの移行もSQL Server 2012への移行も、単に開発ツールを交換するだけでは済まない大掛かりな仕事だ。
Microsoft製品を補うために、それ以外のツールも使う必要がある。例えば、「iPad」用アプリの開発プロジェクトでは、Appleの仮想マシンに対処するため、クロスプラットフォーム開発ツール「Xamarin」の「MonoTouch」を使った。当チームのテクニカルアーキテクトによれば、MonoTouchはMicrosoftの開発環境とネイティブのiOS用開発環境の橋渡しになるという。コードは全て「Visual Studio」を使って「C#」で書く。そのコードをMacアプリケーション開発環境へ移し、そこでコンパイルしてiPadにデプロイする。Windowsから直接デプロイすることはできないが、ほとんどの開発作業はWindows環境で行い、それをMac環境に移して最終的なデプロイを行うことになる。
こうしたプロジェクトで目指しているのは、風通しの良いIT部門の実現だ。上層部や組織内ユーザーがいつでもSharePointでプロジェクトの進行状況を確認でき、開発の進捗(しんちょく)やリソースの割り当て、リソースの変更、タイムラインの設定、タイムラインの達成度などを確認できるようにしたい。これが実現すれば、プロジェクトが予定通りかどうか、頓挫していないか、尋ねられることもなくなる。この目標は達成間近であり、発足してまだ2年半のCARDのIT部門にとって大きな成果となる。
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