学習ポータルサイトとしてグループウェアを活用
立命館宇治中高が「無料グループウェア」でアクティブラーニングに挑戦、その中身とは?(1/3 ページ)
生徒1人1台のタブレット環境を生かすべく、無料のグループウェアを使って学習ポータルサイトを構築したのが立命館宇治中学校・高等学校だ。その選定理由や活用方法とは。
学習者の私物デバイスを教育活動に活用する「BYOD」を採用しながら、デバイスの活用を授業だけにとどめておくのはもったいない。私物デバイスのメリットを生かせば、通学時や家庭でも学習を途切れることなく継続でき、結果として学習の質を高めることができるからだ。その際に重要になるのが、校内外のコミュニケーションを活性化する「学習ポータルサイト」である。
BYODを採用済みの先駆的なIT活用校の中には、デバイス導入と併せて学習ポータルサイトの構築を進めるところが少なくない。Appleのタブレット「iPad」を採用した近畿大学附属高等学校や桜丘中学・高等学校は、エヌ・ティ・エスの学習支援システム「CYBER CAMPUS」で学習ポータルサイトを構築。「iPad mini」を選んだ同志社中学校やWindowsタブレットを活用する佐野日本大学学園はオープンソースの情報共有システム「NetCommons」を使用して構築した。
学習ポータルサイトを構築可能な製品も充実し始めた。グーグルの「Google Classroom」、ベネッセホールディングスとソフトバンクの合弁会社Classiの「Classi」といった新たな学習支援システムが登場し、実際に活用している教育機関もある。教育用ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の「Edmodo」「Ednity」を学習ポータルサイトとして活用する教育機関や教育者も増え、学習ポータルサイトを実現する手段の選択肢が広がっている。
こうした中、BYOD採用校である立命館宇治中学校・高等学校(京都府宇治市)は、サイボウズのグループウェア「サイボウズLive」を活用して学習ポータルサイトを構築し、授業や生徒の学校生活に生かす(画面)。同校はなぜサイボウズLiveを採用したのか。その選定理由や活用方法とは。同校の小竹知紀教諭と小澤大心教諭に話を聞いた。
グループウェアはコミュニティーづくりの土台に
グローバル社会で活躍できる人材育成を目指し、新しい学びを積極的に取り入れる立命館宇治(写真1)。世界の大学への出願・入学資格が得られる教育プログラム「国際バカロレア(IB)」に基づく「IBコース」、一般教科を外国語で学ぶ「イマージョン教育」を取り入れた「IMコース」を設置し、教育内容の充実に力を注いでいる。
IT活用にも早くから取り掛かり、2011年にiPadを学校共有タブレットとして試験的に導入した。立命館宇治はその頃から、立命館が学園全体に導入した「サイボウズ ガルーン」を教職員用グループウェアとして採用し、まずは教職員が日常的にITを活用できる環境を整備した。
立命館宇治が本格的にタブレットの1人1台環境を整備し始めたのは2014年度のことだ。当時の「文科コース」「理科コース」の高校2年生とIMコースに所属する高校1年生の生徒を対象に、約300台を導入した(IBコースは以前からBYODを実施)。OSにはWindowsを選び、初年度は日本マイクロソフトの「Surface 2」やレノボ・ジャパンの「Lenovo YOGA Tablet」、2年目からは東芝の「dynabook Tab」を選択した。
タブレット導入前に課題として挙がったのが、学習ポータルサイトの見直しだ。立命館宇治は以前からオンプレミス(校内運用)の学習ポータルサイトを運用しており、教員が生徒に向けて教材を共有したり、情報を配信したりできるようにしていた。ただし生徒が情報を発信する仕組みにはなっておらず、発信者は教員だけに限られていた。当然ながら、オンプレミスなのでサーバの管理も校内スタッフで担う必要があった。
「学習ポータルサイトを通して生徒側からの情報発信を活性化することで、教員と生徒がフラットな関係になれるコミュニティーを作りたいと考えていた」と小竹教諭は語る。生徒一人一人がタブレットを手にして、かつ生徒がいつでも自由に情報発信やオープンなディスカッションができる仕組みを作ることができれば、結果的にリアルなコミュニケーションにも変化が生まれるのではないか。そんな期待を現実に変えるべく、学習ポータルサイトの見直しを進めることになった。
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