ある衣料品メーカーの実例に学ぶ
BIはスピードが命、従業員と経営者が進んで使いたくなるツールの条件とは?
現代のBIレポートツールは、かつてBIを減速させていたETLなどのプロセスを最低限に抑えることができる。ある衣料品メーカーの実例を紹介する。
現代のBIレポートツールはスピードに尽きる――。カナダの衣料品製造、小売り業者Arc'teryx Equipmentが学んだのはそんな教訓だった。同社は最近、小売店の新規出店場所の見極めを支援しているレポーティングシステムを刷新した。当初の目標はプロセスの自動化推進にあったが、刷新以来、以前は何時間もかかっていたBIタスクの所用時間が大幅に短縮された。
Arc'teryxのビジネスインテリジェンスマネジャー、ウィリアム・ジャクソン氏は「相当の時間が節約できている」と話す。
新システムはQlikTechのソフトウェア「Qlik Sense」を中心に構築した。同チームはTableauやMicrostrategyのソフトウェアも検討したが、QlikはArc'teryxによる契約前のコンセプト実証プロジェクトを進んで支援したことから、Qlikに落ち着いた。Arc'teryxはまた、Qlikが提供するデータ市場(あらかじめ用意され、フォーマットされたデータソースのリスト)も活用している。Arc'teryxはこの市場から個別の地域に関する気象パターンや経済指標などのデータを引き出し、それを自社の販売データと組み合わせる。BIチームはこのデータから会社が進出を検討している場所に関する評価報告書を作成し、一般的な顧客層と一致する地域を探す。
Qlik Senseを導入する前は、「SAP Crystal Reports」と「IBM Cognos」を組み合わせてこうした報告書を作成していた。データはWebソースから引き出していた。しかしジャクソン氏によると、データを収集して必要な抽出や変換、読み込みを経る作業は何時間もかかることがあり、経営陣に情報を提示することを難しくしていた。
「かつてはそうしていたが、インターネットから手作業でデータを集める作業が多かった。データは全てそうしたソースから引き出していたので、一貫性には確信が持てなかった」とジャクソン氏は話す。
新しいBIツールはほとんどの従業員が使いこなしている。彼らの新技術に対して積極的に取り組む姿勢、特に時間を節約してくれる技術に対して前向きだったことも助けになった。
ユーザーは、この新しいソフトウェアのサンドボックス機能も活用しているという。ジャクソン氏のチームが作成するレポートにはそれぞれ、空白の作業スペースのタブがある。これを使ってユーザーは報告書のデータをいじったり、データに対する新しい見方を試したり、違う変数やデータセットを組み合わせた場合に筋が通って見えるかといったことを確認できる。こうした作業によってジャクソン氏のチームが作成した報告書の内容がかき乱されることはない。BIチームは定期的にビジネスユーザーと会議を開き、ビジネスユーザーがこの作業スペースで確立した内容に、制度化に値するものがあるかどうかを検討する。
新しいやり方が順調に採用されたもう1つの重要な要因は経営陣の支持だった。経営陣は報告書の内容を掘り下げられる機能や、分析情報を入手できるスピードが気に入ったという。経営陣が同ツールを使い始めると、従業員もそれにならった。
「経営レベルでの肩入れがあったので、全社的な採用に弾みがついた」とジャクソン氏は話している。
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