これからのプライベートクラウド構築【後編】
VMware、Nutanix、Red Hatを比較 プライベートクラウドで選ぶべきベンダーは?
プライベートクラウドを自前で構築する際、ベンダーごとの特性を把握しておけば、どのような製品が自社に適しているかを判断できるだろう。主要な3ベンダーに絞り、選定のポイントを紹介する。
前編「『プライベートクラウド』の構築方法を正しく選ぶ4つの評価ポイント」では、プライベートクラウドを構築する主要な2つの方法と、運用する際に注意すべきポイントを説明した。
プライベートクラウドが必要な理由とその機能を明確にしたら、ベンダーを評価する。自社が求めるプライベートクラウドの要件に適合するベンダーを選択することが重要だ。さまざまなベンダーを比較する際には、各社の価格構成と利用可能なサポートサービスに注目する。これらの要素を調査することで、自社のITインフラ運用にメリットとなるプライベートクラウドを選択できる。
プライベートクラウドベンダー選びで評価するポイント
Dell TechnologiesやHewlett Packard Enterprise(以下、HPE)、VMware、Nutanix、Red Hatなどがベンダーの選択肢になるだろう。各ベンダーの主要なプライベートクラウド構築支援製品のメリットと、選定時の注意点を紹介する。
VMware
VMwareが提供するクラウド構築・管理製品群「vCloud Suite」は、データセンターを仮想化するためのさまざまな機能を提供している。サーバとアプリケーションを統合的に運用することで、アプリケーションの可用性やパフォーマンス、システムのスケーラビリティが向上する。
ビジネスの要望に基づいて、キャパシティーやパフォーマンスを最適化するのに役立つのが、vCloud Suiteに組み込まれている自動化機能だ。プロビジョニング機能はプログラム可能で、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)やCLI(コマンドラインインタフェース)などを用意する。
vCloud Suiteには複数の価格構成があり、高価な選択肢になる可能性もある。「Standard」「Advanced」「Enterprise」の3種類のエディションから選択できる。コスト効率の高いプライベートクラウドの運用を実現するとは必ずしも言い切れない。
Nutanix
Nutanixが提供するプライベートクラウド構築用の製品群は、CPUやメモリなどのコンピューティングリソースやストレージリソース、仮想化リソースなど、プライベートクラウド用のリソース全てをHCI(ハイパーコンバージドインフラ)として含んでいる。インフラ運用管理のデータを単一のポータルに集約したり、アプリケーション管理を自動化したり、ストレージリソースを統合管理したりする機能がある。設備投資を圧縮できる可能性がある。
過去にHCIを扱った経験がないのであれば、Nutanixが提供するHCIへの移行は管理者にとって難しい仕事になるだろう。管理コンソール「Prism」は、従来のネットワーク機器と必ずしも互換性があるわけではない。プライベートクラウドの環境全体の監視や新しいワークフローの組み立てに、複数の管理ツールが必要になる可能性がある。
Red Hat
オープンソースのクラウド構築用ソフトウェア「OpenStack」を使用したプライベートクラウドは、幅広い企業の関心を集めている。データセンターでサーバOS「Linux」ベースのインフラを運用している企業が少なくないためだ。OpenStackはLinuxでの稼働を前提としている。構築を支援する認定パートナーや認定コンサルタントが数多く存在することは、OpenStackによるプライベートクラウドの構築にあたっての利点となる。
OpenStackの開発コミュニティーに参加しているRed Hatは、OpenStackディストリビューションの「Red Hat OpenStack Platform」を販売している。同社のLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)は、OpenStackを稼働させることを前提とした設計になっている。既にRHELを利用している企業にとって、OpenStackは導入しやすいプライベートクラウドの選択肢となる。
Red Hatに限った話ではないが、OpenStackのディストリビューションとLinuxのディストリビューションとの間で起こり得る「衝突」には注意が必要だ。OpenStackのディストリビューションは、全ての種類のサーバで稼働するわけではない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
これからのプライベートクラウド構築
パブリッククラウドの利用が広がる中でも、依然としてプライベートクラウドへの需要は根強い。ただしプライベートクラウドの構築、運用は決して簡単ではない。投資を検討する際に知っておくべきポイントは。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
8
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー