プライベートクラウドを構築するための手法は一様ではない。自前で構築するのか、ベンダーの協力を得るのか。その判断に影響を与えるポイントとは何だろうか。
IT部門がプライベートクラウドの構築時に担うべきことは、ベンダーを選定し、利用する料金プランを決定し、データを移行するだけではない。CPUやメモリなどのコンピューティングの処理能力、スケーラビリティ、サイバーセキュリティ、コンプライアンスといった、プライベートクラウドのインフラ運用におけるさまざまな管理の責任を負うことになる。
プライベートクラウドの導入方法として、下記の2つの選択肢がある。
プライベートクラウド構築の専門的なスキルが自社のIT部門にあるならば、クラウド構築用のハードウェアとソフトウェアを調達し、自前で構築する方がコストを抑制できるだろう。
クラウドベンダーの協力を得て、完成済みのプライベートクラウドを利用するか、プライベートクラウドの構築や運用管理をサードパーティーのベンダーに委託するかは、導入する組織の規模による。VMwareやNutanixなどのベンダーが、プライベートクラウドとして利用可能なIaaS(Infrastructure as a Service)を提供している。こうしたベンダーの協力も得つつ、どのような構築方法が自社に適しているかを判断するといいだろう。
プライベートクラウド市場には多様なベンダーが参入し、企業にとっての選択肢が充実している。企業はプライベートクラウドの構築方法を検討するに当たって、どのような要素や機能を評価すればいいのだろうか。
データの保管や使用に関するどのような規制に従う必要があるかは、企業やデータセンターが存在する地理的な場所に依存する。プライベートクラウドはさまざまな国で構築される。データを扱う国が異なれば、準拠すべき規制も異なる。米国の国土安全保障法やEU(欧州連合)のGDPR(一般データ保護規則)など、世界的なさまざまなデータ保護の法規制に準拠する必要がある。
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