新たな開発手法「ChatOps」についても解説
SlackでAWSのアラートを確認できる「AWS Chatbot」とは
AWSの「AWS Chatbot」は、「Slack」「Amazon Chime」と連携するチャットbotサービスだ。同サービスの詳しい機能と、DevOpsの手法の一つ「ChatOps」について説明する。
Amazon Web Services(AWS)は、開発者向けチャットbotサービスの「AWS Chatbot」によって、DevOps(開発と運用の融合)の支援手段を拡充している。AWS Chatbotはチームコラボレーションサービスの「Slack」やオンライン会議/チャットサービス「Amazon Chime」で、AWSリソースのモニタリングを可能にする。2019年現在はβ版だ。
DevOpsチームメンバーがチャットツールを使って話し合ったり、システム通知を受信したりする「ChatOps」の潮流に、AWSは積極的に対処している。ChatOpsの支持者は、チャットが高度なコラボレーションや透明性を促進すると考えている。
AWS Chatbotの通知機能を支えるのはメッセージングサービスの「Amazon Simple Notification Service」(Amazon SNS)だと、AWSは同社のブログ記事で述べている。
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AWSのドキュメントページによると、Amazon SNSの通知機能を利用するユーザーは、メールで通知を送信したり、確認したりすることが少なくない。AWS Chatbotは、これらのメールによる通知を、使用中のチャットツールにリダイレクトする。ユーザーはSlackまたはAmazon ChimeのチャットメンバーにAWS Chatbotを追加するだけで、Amazon SNSの通知をこれらのクライアントで受信できる。
DevOps関連のAWSサービスと連携
AWS Chatbotは現在、AWSの以下のサービスと連携できる。このラインアップは、AWSのサービスを使ったDevOps戦略を採用しているIT部門に広く関連するサービスばかりだ。
- アプリケーションとリソースの監視ツール「Amazon CloudWatch」
- リソースの状態可視化ツール「AWS Health」
- コスト管理ツール「AWS Budgets」
- セキュリティとコンプライアンスの管理ツール「AWS Security Hub」
- 脅威検出ツール「Amazon GuardDuty」
- リソース構築ツール「AWS CloudFormation」
ChatOpsの普及拡大の流れは既に始まっている。DevOpsチームは、ナレッジマネジメント、タスク自動化、インシデント管理など、幾つかの目的でChatOpsを利用してきた。
DevOpsチームの間では、独自のbotを作成し、Slackやその競合の「Microsoft Teams」などと連携させる動きが広がりつつある。Microsoftはそのための手段としてチャットbot開発ツールの「Azure Bot Service」とbot開発フレームワークの「Microsoft Bot Framework」を提供しており、Googleも対話型アプリケーション開発ツールの「Dialogflow」を提供している。
課題は残るがメリットも
今のところ、AWS Chatbotの機能は限られている。現状のβ版は一方的な通知の送受信に力を入れており、ユーザーがチャットによる会話を通して、AWSサービスを直接操作する機能は備えていない。Microsoft Teamsとの連携機能も用意していない。Microsoft Teamsのユーザーは、これを大きな欠点だと考える可能性がある。
それでも「botを自作するよりも、AWS Chatbotを使う方が得策だ」と、DevOpsに関するトレーニングを手掛けるThe StackでDevOpsコーチを務め、自身もAWSユーザーであるライアン・マーシュ氏は語る。「botの自作はオタク的な楽しさがあるが、こうした作業に時間を割けるチームは多くない。AWS Chatbotの投入は、開発者の生産性を優先するAWSの意思の表れだと期待している」(マーシュ氏)
デジタルコンテンツマーケティングソフトウェアを提供するRevcontentは、AWS Chatbotを早期導入した企業の一つだ。AWSのブログ記事によると、RevcontentはAWS Chatbotを使い、ロードバランサーで問題が発生したことを知らせるアラートの配信システムを構築したことで、サービス停止を回避できたという。
AWSクラウド開発キットも登場
AWSが2019年7月に正式リリースした「AWSクラウド開発キット」(AWS CDK)も、開発者の生産性を向上させるAWSの取り組みの一つだ。Amazon.comの最高技術責任者(CTO)を務めるワーナー・ボーゲルズ氏はTechTargetの取材に対し「開発者はCDKにより、慣れないJSON形式やXML形式のファイルによってではなく、使い慣れたプログラミング言語を使って、クラウドインフラを開発できる」と説明する。
「顧客はより複雑で大規模なアプリケーションを、サーバレスコンポーネントのみで構築するようになっている。AWSはこのことを把握している」と、ボーゲルズ氏は付け加える。
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