新たな技術と新たな脅威【後編】
「NAS」があなたの想像よりも危険な理由
さまざまな新技術が普及すれば、攻撃者もそうした技術を狙う。ただし長く使われている技術であっても、攻撃者にとってうまみがあれば攻撃の対象になり続ける。その代表格がNASだという。なぜなのか。
技術の発展はビジネスに利益をもたらすだけでなく、サイバー攻撃の巧妙化を招く。前編「“何でもかんでも『IoT』化”が危険なこれだけの根拠」および中編「『5G』『RPA』『AI』はなぜ危険なのか? リスクが生まれる原因を解説」で紹介したように、攻撃者はIoT(モノのインターネット)、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)といった新たな技術の脆弱(ぜいじゃく)性を狙う。攻撃を受けやすい技術には、他にどのようなものがあるだろうか。
なぜNASが狙われるのか
クラウドを狙った現状の攻撃は、クラウドの構成ミスや機密情報の窃盗が主流だ。企業がサーバやデータのクラウド移行を進めれば、攻撃者もさらにクラウドを狙うようになる。ただし攻撃者はオンプレミスへの攻撃の手を緩めるわけではない。
攻撃者は、企業にとって重要なデータがストレージにあることを理解している。セキュリティベンダーKaspersky Labが2019年7~9月に観測したデータによると、攻撃者はNAS(ネットワーク接続ストレージ)を標的にするようになっている。「こうした新種の攻撃は、NASのみを使ってバックアップを保存している企業に重大な問題を突き付ける」と、ソフトウェア業界について深い知見を持つダグ・ヘゼルマン氏は述べる。
Kaspersky Labは、NASを狙った攻撃の痕跡は2018年にはほとんどなかったと報告する。だが攻撃者はNAS攻撃のうまみを認識すると、企業の油断に付け込み始めた。NASにマルウェア対策製品を導入していない企業が相当数あるためだ。
対策として、NASに最新パッチを適用し、社外ネットワークからNASへのアクセスを許可するデバイスを必要最小限にする必要がある。攻撃者のマルウェアによるバックアップデータ侵害を防ぐための手段として、ヘゼルマン氏はバックアップを2種類のストレージに保存することを勧める。そのうち1つをクラウドストレージにすることで、セキュリティの向上をはじめとする複数のメリットを得られる可能性がある。
サイバー攻撃のリスクは着実に高まっている。セキュリティは優先しなければならず、後回しにしてはならない。新しい技術は利便性と収益の向上につながることは事実だが、その導入に伴うセキュリティリスクの軽減にも取り組む必要がある。
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