ポストcookie時代のマーケティング戦略【前編】
いまさら聞けない「cookieによるトラッキング」の基礎 なぜ制限されるのか?
サードパーティーcookieなしで顧客を追跡するのは心もとない――。そう考える企業は、サードパーティーcookieに代わる選択肢を考えなければならない。
Googleは2022年までに、同社のWebブラウザ「Chrome」におけるサードパーティーcookie(訪問先Webサイトとは異なるドメインに関連付けられたcookie)の利用を段階的に廃止する計画だ。企業は広告をパーソナライズするために、大量の顧客情報を収集する必要がある。その手段としてサードパーティーcookieを活用してきた企業は、他のデータ収集方法の検討を始めるべき時期に来ている。
プライバシーや透明性に重大な懸念
サードパーティーcookieはマーケターに、Webサイト訪問者についてのより良い洞察を提供する。サードパーティーcookieが収集する広告用のデータに大きく依存している企業は少なくない。だが、こうした企業はマーケティング、営業、Eコマース(電子商取引)、商品開発の各チームを動員し、ポストcookie時代のマーケティング戦略を担うトラッキング手段を考える必要がある。
cookieは、ユーザーが特定のWebページを訪問したときに、WebサイトがPCやスマートフォン、タブレットなどユーザーのデバイスに保存する小さなファイルだ。このファイルは、あるWebサイトから別のWebサイトに情報を運ぶ役割を果たす。cookieの目的は、ユーザー名やパスワード、氏名、住所などの情報をプログラム間でやりとりできるようにすることにある。
マーケターはcookieを使ってWebページの閲覧行動や購入履歴、好みを基に訪問者が何に興味を持っているかを判断する。cookieは一般的に、ユーザーフレンドリーな顧客体験を実現する。顧客のパスワードを記憶し、顧客がWebブラウザから離れてもショッピングカート内のアイテムを削除しないといった具合だ。cookieは顧客体験の向上に役立ち、企業が大量の顧客情報を収集できるようにする。
cookieが個人データを収集することから、企業は欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)や米国の連邦取引委員会法に従う必要がある。これらの法律は、顧客に対して収集する情報の内容と使い方を開示するよう、企業に義務付けている。そのために現在、さまざまなWebサイトが、cookieなしで訪問したユーザーに対してこの開示を実施している。だがユーザーは画面からポップアップを消すために、開示内容をきちんと読まずにcookieの使用に同意しているのが現実だ。
プライバシーや透明性に関する消費者の懸念を受け、企業の間でサードパーティーcookieの使用を見直す動きが広がっている。Webブラウザ「Safari」および「Firefox」は、既にサードパーティーcookieをブロックしている。前述のようにGoogleも2022年までにサードパーティーcookieの利用を段階的に廃止する計画だ。Googleのこの決定は、一部の企業を動揺させている可能性がある。だが企業はポストcookie時代のマーケティング戦略の中で代替オプションを考えることもできる。
「サードパーティーcookieに代わる選択肢を見つけ出し、適切なコンテンツを適切なタイミングで、適切なユーザーに提供することが重要だ」と、独立系マーケティングコンサルタントのグリフィン・ラフラー氏は語る。「マーケターにとって重要なのは、マーケティングの対象となる個々人について、より多くを知ることだ」(ラフラー氏)
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
7
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
8
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
9
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
10
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー