広告ブロッカーが有効な場合も
cookieのプライバシー対策、便利さとセキュリティのバランスをどう考えるか
cookieはWebサイトでパスワードや設定を再入力しなくて済むようにしてくれる便利な機能だが、プライバシーに関する不安がつきまとう。cookieの役割を整理した上で、どのようなセキュリティ対策があるかを紹介する。
cookieに基づくトラッキング(行動記録)や広告表示などは、インターネットを無償で利用する対価のようなものだ。通常は無害であり、役に立つことも多いが、マイナス面もある。IT担当者はcookieを削除する前に、その役割とプライバシーの問題の両方を理解しておこう。
WebブラウザでWebサイトのログイン情報や閲覧情報を保存する小さなファイルであるcookieは、1990年代から使用されている。ほとんどのWebサイトにはそれぞれのcookieポリシーがあり、ユーザーが確認できるようになっている。
ユーザーが特定のWebサイトを初めて閲覧すると、cookieが作成されてそこに閲覧情報が保存される。次に同じサイトを閲覧したとき、Webブラウザがcookieを読み込んでユーザー名やパスワードなどの情報を自動入力する。これにより、Webサイトを素早く表示でき、ログイン情報を毎回入力しなくて済む。
cookieはWebサイトでのユーザーの行動を追跡することもでき、閲覧したWebページや各ページの閲覧回数、ショッピングカートに入れた商品などの情報を保存できる。ユーザーは最近見た情報をもう一度確認したり、設定の入力を省略したり、関心のある商品やその他のアクティビティーを見直したりできる。通販サイトで見た商品が別のサイトで広告として表示されるのも、この機能があるからだ。
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cookieのセキュリティ
cookieはその性質上、プライバシーやセキュリティについて不安を感じさせるが、cookie自体はそれほど危険なものではない。それには次のような理由がある。
- cookieとデータはユーザーのコンピュータだけに保存される。ただし、cookieを別のコンピュータにコピーして個人情報を盗むことは不可能ではない。cookieのセキュリティはWebブラウザに依存する
- あるWebサイトで作成されたcookieに他のサイトからアクセスすることはできない
- cookieに同意したからといって、サーバにユーザーのコンピュータや個人情報へのアクセスを許可することにはならない
- Webブラウザはcookieを他のコンピュータに送信されないようにセキュリティ対策を講じている。ただし、cookieトッシング攻撃(cookie Tossing:cookieに含まれるセッション情報を盗むための攻撃手法)でcookieデータが盗まれる可能性はある
トラッキングcookie
トラッキングcookieは、ユーザーの位置情報、デバイスの種類、閲覧頻度、閲覧したWebページなどのデータをモニタリングし、ターゲティング広告に提供する。これがcookieのプライバシーとセキュリティに懸念が生じる要因となっている。
今はランダムに広告を表示するより、ユーザーの関心に応じて広告を配信したい広告主が増えている。Amazon.comでランニングシューズを探しただけで、数分後にGoogle検索でランニングシューズの広告が表示されたら、あまりいい気はしないだろう。それでも、さまざまなアプリケーションや検索ツール、電子メールの利用は、その広告料によって賄われていることを忘れてはならない。
Webサイトではcookieで収集したデータを分析するために、サードパーティー製追跡ツールを使用している場合がある。このようなツールの中には、無関係なWebサイト間でcookieデータを共有できるものもある。その場合、さらに包括的なユーザー情報が収集可能になる。その情報が広告主やその他の顧客に販売されることもあり得る。それについてユーザーはどうすることもできない。ビッグデータ分析ツールの普及により、この問題はさらに深刻化している。
cookieによるトラッキングを回避するには
IT担当者がユーザーの個人情報を保護するためにcookieの使用を止めたり削除したりすることは可能だが、単純ではない。
どのWebブラウザを使うか(「Chrome」「Internet Explorer」「Firefox」など)によってcookieの管理方法は異なる。特定のcookieを削除できるWebブラウザもあるが、それには特殊なツールが必要になることもある。危険なWebサイトのcookieを削除するのはいいが、適切に見分けることが重要だ。害のないcookieを削除してしまうと、不便になるだけでなく、ログインや閲覧が完全にできなくなってしまう可能性もある。
ユーザーのプライバシーを保護するために、IT管理者がcookieをできる限り削除したとしても、ユーザーが対象サイトをまた閲覧すればcookieは再び作成され、振り出しに戻ってしまう。cookieを全て削除し、cookieが保存されないようにしたとしても、Webサイトは別の方法でユーザーのアクティビティーとWebブラウザのキャッシュを追跡して利用することができる。
対抗策として、広告を表示するトラッキングをブロックするアドウェア削除ツールや広告ブロッカーが有効だ。
アドウェアによる攻撃は、ユーザーのWebブラウザ起動要求を傍受するものや、リンクをクリックして表示しようとしたページに広告ページを重ねて表示するもの、広告ページを幾つも表示するものなどがある。ウイルス対策ソフトウェアではアドウェアを検出し切れず、クリーン(安全)だと判定することがある。こうした問題には「Malwarebytes AdwCleaner」「Zemana AntiMalware」「HitmanPro」などのアドウェア削除ツールが役に立つ。複数のツールを組み合わせてやっと問題が解消する場合もある。無料ツールと有料ツールがあるが、有料のものもほとんどが無料の試用期間を設けており、問題が解決することを確認してから、予防用に購入することができる。
cookieを遮断・削除するだけではプライバシーの問題を解決することにならない。ただし有害な活動の存在を認識し、異常な動作に注意し(不正なスタートアップページが表示されるなど)、ポップアップ広告のドメインをチェックすれば、悪影響を抑えるのに役立つ。リスクを低減するために、使用するWebブラウザのcookieの削除と管理の手順を確認し、適切な広告ブロッカーの利用を検討しよう。
IT管理者がcookieの仕組みをユーザーに教育し、閲覧するWebサイトに気を付けるように注意を促すことも重要だ。
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