エンドポイントセキュリティ見直しの契機に
ChromeやFirefoxの「危険なアドオン」とは? 脅威と対策を解説
無数に存在するWebブラウザのアドオンの中には、セキュリティ上の脅威を含む「悪意あるアドオン」も潜んでいる。実害につなげないための対策を紹介する。
Webブラウザの拡張機能やプラグインといった「アドオン」は、数多く存在する。エンドユーザーや企業にとって、機密データやシステムに関わる全てのアドオンの安全性を、事前にチェックするのは著しく困難になってきた。
エンドポイントセキュリティを考える上で、アドオンの問題は大きい。アドオンによっては管理者権限がなくてもインストールできることから、エンドユーザーがアドオンをうっかりインストールしてしまうこともあり得るからだ。
アドオンの利用を許可している企業にとって、その事前チェックを徹底するのは難しい。企業は悪意あるアドオンが見つかった場合に備えて、準備を整えておかなければならない。
以下では、悪意あるアドオンと企業の対策について説明する。
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悪意あるアドオン
悪意あるアドオンは新しいものではなく、企業は既にそのリスクを認識しているはずだ。セキュリティベンダーのMalwarebytesは最近、Webブラウザ「Chrome」「Firefox」の新たな悪意あるアドオンについて報告した。
このアドオンのChrome版は「Webオーディオの音質を向上させる」と宣伝されている。紛らわしいダイアログボックスと偽のボタンを使ったソーシャルエンジニアリングにより、エンドユーザーをだましてインストールさせる仕組みだ。このアドオンのFirefox版は、Webブラウザを手動でアップデートするよう呼びかける、悪意ある広告によって拡散されている。
Chrome版もFirefox版も、動画共有サイト「YouTube」の動画クリック数を増加させたり、検索エンジンを乗っ取ったりすることで、攻撃者の収入に貢献する。Webブラウザの設定ページから他のページへのリダイレクト(自動転送)を施したり、設定ページを無効にしたりする仕掛けを施し、自身の削除を難しくしている。
こうした悪意あるアドオンは、適切な方法で削除することが重要になる。最悪の場合、攻撃者にとってエンドポイント全体のセキュリティを侵害する足掛かりになる恐れがあるからだ。
悪意あるアドオンへの企業の対処方法
悪意あるアドオンへの対処は、広告を自動表示するマルウェアである「アドウェア」への対処と同様に、ビジネスユーザーや企業のセキュリティチームにとって面倒なことになるだろう。機密データが関わる場合はなおさらだ。
幸いなことに、こうした悪意あるアドオンは、Webブラウザの外部では機能しないようだ。Malwarebytesも「新たに発見したマルウェアについて、OSに感染しようとする試みは見られなかった」と報告している。だからといって「他の悪意あるアドオンも、そうした次のステップを踏み出すことはない」と考えるのは早計だ。
新たな悪意あるアドオンを見つけたら、そのアドオンがシステムにどのようにインストールされたのかを調査する必要がある。将来の感染防止に向けて、セキュリティ対策をどのように改善する必要があるのかを判断するため、そしてアドオンがシステムにどの程度入り込んだのかを特定するためだ。
企業は悪意あるアドオンについて、Webブラウザやエンドポイントセキュリティのベンダーに報告するとよい。そうすればベンダーは、その情報を自社の保護対策に取り入れることができる。必要ではないアドオンについては、無効化を検討すべきだ。
どのような場合にシステムを再インストールするかを決めることも重要になる。自動再インストールプロセスが整っていれば、対策コストの低減に役立つ。マルウェアを手動で削除するよりも、はるかに短時間かつ簡単に対処できる。
システム全体の再インストールは望まなくても、アドオンの影響を受けるエンドユーザーのシステムについては、Windowsのユーザープロファイルの再構築、Webブラウザの新しいプロファイルのセットアップ、Webブラウザ設定の完全なリセットのいずれかを実行した方がよい。
企業はエンドポイントセキュリティの現状を調査し、「悪意あるアドオンがなぜブロックされなかったのか」「古くなったWebブラウザが使われていないかどうか」を把握すべきだ。
マルウェア対策製品をはじめとするエンドポイントセキュリティ製品の価値は明らかだ。従来のマルウェア対策ベンダーの大半は、単なるブラックリスト方式よりも進化した技術を採用している。ただし全ての企業が、それらによる新機能を実装しているわけではない。エンドポイントセキュリティ製品を効果的に活用すれば、Malwarebytesが報告したような悪意あるアドオンをブロックできるだろう。
悪意あるアドオンのリスクは比較的低く、企業が対処すべきセキュリティ問題の中には、はるかにリスクが高いものもあるだろう。とはいえWebブラウザ利用への影響を考慮すれば、悪意あるアドオンについては適切な対処をして一掃する必要がある。悪意あるアドオンを手掛かりに、エンドポイントセキュリティの改善点が見つかれば有意義だ。その作業は面倒だが、やるだけの価値はある。
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