Google Chromeはこの数カ月でセキュリティが大幅に強化された。たとえMicrosoftがWindows 10の変更を通じて対抗しようとしても、Chromeを追い落とす助けにはならないかもしれない。
「Microsoft Edge」は2015年にリリースされた「Windows 10」で、「Internet Explorer」(IE)に代わるデフォルトのWebブラウザとしてデビューした。Microsoftは「Windows 10 Insider Program」の最新ビルドで、一部のユーザーに強制的にEdgeを使わせる機能をテストすると説明している。EdgeのWindowsとの連携性や、全体的なセキュリティ機能はWindows 10を使う職場にとって魅力だが、GoogleがChromeのエンタープライズセキュリティ機能強化を図る中、Microsoftにはまだやるべきことがある。
「今のところ、(他のWebブラウザとの)比較でいえば、多くのWebサイトはEdgeを全面的にサポートしていない。だがその数は急速に増えるだろう。メーカーがアプリケーションのツールを再編するのには時間がかかる」。United Bankのメッセージングコラボレーション専門家ウィレム・バグチャス氏はそう語る。
現時点でEdgeに対応していないWebアプリケーションや、うまく機能しないWebアプリケーションの数は不明だ。企業はEnterprise Modeを利用すれば、IEで互換性が高いWebサイトを開ける。United Bankでは、従業員が他のWebブラウザでは機能しないレガシーアプリを使っていることから、大部分をIEに依存している。だが2018年はWindows 10の導入開始に伴い、EdgeをデフォルトのWebブラウザにするかしないかを、IT部門が検討する予定だという。
もしユーザーに選択肢が与えられれば、高速なWebデータの処理や、アドオンライブラリの豊富さを理由にChromeを選ぶ場合も多い。StatCounterによると、Chromeは世界のデスクトップWebブラウザ市場で67.45%と圧倒的なシェアを誇る。これに対してEdgeは4.05%にとどまる。
このデータには、コンシューマーとエンタープライズの両方の数字が含まれる。従って、企業に限ればEdgeのシェアが4.05%より大きい可能性はある。Windows 10を使っている職場ではEdgeを選ぶかもしれない。同WebブラウザはOSに組み込まれているので、管理者がグループポリシーを通じて管理でき、契約しているWindows更新チャネルによっては更新をコントロールしやすい。
「EdgeはMicrosoftがバックエンドに組み込んだ大量のインフラの表れにすぎない。セキュリティモデルも認証モデルも圧倒的に優れている」とバグチャス氏は言う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
メルカリがリテールメディア「メルカリAds」を本格開始 想定される広告ニーズは?
メルカリが新たな収益源を確立すべく広告事業への参入を発表した。
「ディープフェイク」が本当に危険な理由とは? AIが変えるソーシャルメディア5つのシナリオ【前編】
AIはソーシャルメディアマーケティングと広告の分野で効率と効果を大幅に向上させている...
ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieの違いって結局、何?
GoogleのサードパーティーCookie廃止の方針が二転三転し、デジタル広告業界は大きく混乱...