「GPSデバイス」のセキュリティリスク【後編】
ドローンやAirTagを“脆弱性まみれ”にしないための「製造者責任」とは?
GPSデバイスのセキュリティリスクを減らせるかどうかは、ベンダーの開発段階での“ある取り組み”が鍵を握る。それは何なのか。
市販のドローン(小型無人飛行機)やAppleの紛失防止タグ「AirTag」といった、GPS(全地球測位システム)機能搭載したデバイス(以下、GPSデバイス)の利用が広がっている。GPSデバイスのセキュリティ対策の責任があるのは、ユーザーだけではない。GPSデバイスを開発、販売するベンダーも、本格的にセキュリティ向上に取り組む必要がある。具体的には、何をすればいいのか。
危険なドローン、危ないAirTagを防ぐ「ベンダーの責任の取り方」
併せて読みたいお薦め記事
連載:「GPSデバイス」のセキュリティリスク
便利技術の裏にあるセキュリティリスク
ベンダーがGPSデバイスをより安全にするために有効な手段として「脅威モデリング」がある。脅威モデリングは、開発中の製品やサービスがどのようなセキュリティリスクにさらされているかを特定して、事前に対策を打ち出す方法だ。ソフトウェア開発の分野で用いられることが一般的だが、GPSデバイスのセキュリティを高めるためにも効果的だと考えられる。
脅威の高度化、複雑化を受けて、ベンダーは脅威モデリングの手法を進化させる必要がある。これまでのマニュアル通りに取り組むだけでは、最新の脅威には対抗できない。ベンダーは知恵を絞り、さまざまな方法で潜在的な脆弱(ぜいじゃく)性を探し出さなければならない。
GPSデバイスの設計にミスや弱点がないかどうかを確認する「設計レビュー」も重要だ。ベンダーは脅威モデリングと設計レビューの2つを切り離してはならない。両者はいずれも、対象の製品/サービスごとに詳細を調整する必要がある。ベンダーが両者にしっかり取り組めば、ユーザーの保護に直結する。開発と設計の工程にセキュリティを取り入れることで、セキュリティの問題によるリコール(自主回収)や修正プログラムの提供も避けられる。
今後もGPSデバイスの利用は広がると業界専門家はみている。機能が充実し、洗練するとともに、用途が広がる可能性があるからだ。ただしユーザーもベンダーも、GPSデバイスにはセキュリティリスクがあることを忘れてはならない。特にベンダーは開発の際、セキュリティを最優先する「セキュリティファースト」の考え方を採用し、潜在的な脆弱性がないかどうか、時間をかけてテストする責任がある。ベンダーがその責任を果たして初めて、ユーザーは攻撃を心配することなくGPSデバイスを楽しめる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
2
「HDD終了」は本当か 巨大クラウド2社が下した大容量フラッシュへの決断
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
5
10年かけてBIを再構築したアマノの一手 「権限がない」「予算がない」でもDXは動かせる
-
6
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
-
7
人気のプログラミング言語「Rust」と「Python」の違いは何か?
-
8
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
2
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
3
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
4
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
5
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
6
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
7
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
8
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
9
中小企業必見、Microsoft 365でゼロトラストセキュリティを実現する方法
-
10
動画で知るランサムウェア被害企業のリアル、会計データが無事だった理由とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー