ITサービスが普及する中で、ITによるハラスメント「デジタルハラスメント」が社会問題化しつつある。具体的にどのような被害が生じているのか。その実態を探る。
DV(家庭内暴力)被害者を支援する団体Refugeと、セキュリティベンダーAvast Software(2021年にNortonLifeLockが買収を発表)が手を組んで、「Digital Break-Up Tool」を公開した。Digital Break-Up Toolは暴力を振るうパートナー(配偶者や恋人)と別れた際のデジタルハラスメント(ITによる嫌がらせ)から、女性のオンライン行動を守るためのツールだ。デジタルハラスメントの具体例には、別れたパートナーからのITサービスを使った継続的な連絡や嫌がらせ、ストーカー行為がある。
RefugeとAvastによると、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やメールサービスなどに関する現在のパートナーのパスワードや、別れたパートナーのパスワードを知っている人がいる。位置情報の共有機能や、AppleのモバイルOS「iOS」の機能である「友達を探す」(Find My Friends)を通じて、別れたパートナーの居所を追跡できると考える人もいるという。
パートナーや元パートナーに自分のパスワードを知られていると主張する人からは、「アカウントやデバイスに侵入された場合、どのようにして安全を確保すればよいのか分からない」という声が上がっていると、RefugeとAvastは説明する。別の懸念点は、同じパスワードを複数のサービスで使い回している人が一定数いることだ。「これは極めて憂慮すべき問題だ」と、Avastの最高情報セキュリティ責任者(CISO)ジャヤ・バルー氏は言う。
「私物や互いの玄関の鍵を返すだけで関係が終わる時代は終わった」とバルー氏は言い切る。人々がパスワードやデバイスをパートナーと共有する行為は、「特に女性がパスワードの共有を強要されている場合、非常に悪い事態に陥っている可能性がある」と同氏は語る。
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