データ保護の基本的な手段として、バックアップとスナップショットがある。2つの違いと、それぞれのメリットは何かを解説する。
「スナップショット」と「バックアップ」はデータ保護の基本的な手段であり、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃からのデータ復旧手段として注目を集めている。これら2つの用語を混合して使用する例が散見される。本稿は、バックアップとスナップショットの違いを解説する。
簡単に言うと、バックアップはコピーだ。一般的に、実行する頻度はスナップショットよりバックアップの方が低い。通常はバックアップを1日に1回取得する。
バックアップの実行には時間がかかる上、オーバーヘッド(余分な処理による負荷)を伴うため、一般的には営業時間外に実行する。通常、バックアップは数カ月〜数年単位で保管する。バックアップがあれば、削除したり破損したりしたデータを復元し、再度利用することができる。
毎回フルバックアップ(対象の全データのコピー)を取得する必要はない。増分バックアップ(前回のバックアップ後に変化があった部分のコピー)からデータを復元することができる。ただし増分バックアップにすると、データを復元する際により時間がかかる可能性がある。
一方、スナップショットはコピーではない。基本的には、ファイルやボリューム(データを保存する論理的な領域)、HDDやSSDといったストレージの状態を記録したものだ。多くの場合、スナップショットは「NAS」(ネットワーク接続ストレージ)や「SAN」(ストレージエリアネットワーク)の機能であり、NASやSANのストレージ内でスナップショットを保持する。
スナップショットは30〜60分ごとなど、バックアップより高頻度でデータを取得するのが一般的だ。システム稼働にはほぼ影響を与えない。スナップショットがあると、ファイルを過去の状態に戻せる。
後編は、データ保護のベストプラクティスを実現するためにバックアップとスナップショットをどう使い分ければいいのか、その方法を紹介する。
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