ランサムウェアなどの脅威に対して、企業はどのようなデータ保護の対策を講じるべきなのか。米TechTargetの製品アワードで上位にランクインした製品を基に、市場のトレンドや注目の機能を紹介する。
データを危険にさらすランサムウェア(身代金要求型マルウェア)などの脅威が広がる中、企業はバックアップやDR(災害復旧)において何に注目すべきなのか。米TechTargetが提供する製品アワード「Storage Products of the Year」の2021年版から、「バックアップおよびDRのハードウェア・ソフトウェア・サービス」の部門で上位に入った製品とその理由を紹介する。アワードを受賞した製品は、データ保護の専門家が懸念事項として指摘するポイントや、新たな市場トレンドを反映する結果になった。
金賞、銀賞、銅賞を受賞した3製品は、共通してランサムウェア対策関連の機能を搭載する。テレワークの普及に伴い、企業のデータは攻撃されやすくなった。それを背景にランサムウェア対策の重要性が高まり、ベンダーはそのための機能開発に注力している。
データをクラウドサービスにバックアップする機能(クラウドバックアップ)も重要な機能になりつつある。金賞を獲得したDruvaの製品、銀賞を獲得したVeeam Softwareの製品がその機能を搭載する。市場にはクラウドバックアップを扱う多種多様な製品が存在している。DruvaとVeeam Softwareの製品は、クラウドバックアップの運用を簡素化する点と、バックアップの信頼性を向上させる点で競合他社との差別化を図っている。
データの「イミュータビリティ」(不変性)は、特にランサムウェアからのデータ保護に有効だ。この特性をバックアップに取り入れる「イミュータブルバックアップ」は、データに変更を加えることが不可能であるため、悪意のある操作や、誤操作によるデータ消失を防ぐことができる。Veeam Softwareの製品と、銅賞を獲得したKastenの製品は、どちらもイミュータビリティを備える。Kastenは2020年にVeeam Softwareが買収したベンダーだ。
Veeam SoftwareとKastenはいずれも、コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」と連携したデータ保護機能を備える。コンテナはバックアップにおいて関心の高まる分野だ。
第2回以降は、金賞、銀賞、銅賞を獲得した製品・サービスを具体的に紹介する。
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