データ保護規制にも対処
クラウドデータ保護「DPaaS」とは? 使い倒す方法は?
バックアップやセキュリティ対策といったデータ保護のクラウドサービス「DPaaS」は、データ保護の運用効率化とデータ損失を防ぐ対策強化に有効だ。DPaaSを最大限に活用するヒントを紹介する。
データ保護の仕組みをクラウドサービス形式で提供するのが「DPaaS」(サービスとしてのデータ保護:Data Protection as a Service)だ。DPaaSを利用すると、企業はデータの一連の運用をクラウドインフラで実施し、簡単な操作だけでデータ保護の各種の機能を利用できるため、効率よくデータ保護の能力を高められる可能性がある。DPaaSを利用するメリットや、既存の業務にうまく取り入れる方法を紹介しよう。
DPaaSを使用するメリット
併せて読みたいお薦め記事
データ保護の基礎知識
誤解しがちな「Microsoft 365」のバックアップ
業務では大量のデータが発生し、そのデータからはさまざまな知見が得られる。データの損失を防ぎ、必要に応じてデータを活用できる状態にする必要性は、企業規模の大小に関係なく高まっている。
アプリケーションごとに異なるデータ保護の方法を採用するよりも、データ保護に関連する作業を1つに集約する方が合理的だ。DPaaSは、データ保護に関連するさまざまな機能を提供する。例えば下記のような機能がある。
- データへのアクセス制御
- データの重複排除
- データの保管とバックアップ
- データのアーカイブ
- データのセキュリティ確保
- データのプライバシー保護
- 災害復旧(DR)
企業はEU(欧州連合)の「一般データ保護規則」(GDPR)や英国の「データ保護法」をはじめ、各種のデータ保護規制に対処しなければならない。DPaaSがデータ保護の各種規制を順守するための機能やサービスを備えている場合、監査やコンプライアンス(法令順守)の点でそのDPaaSを利用することは適切だと言える。データ保護の運用を一元化すれば、企業は自社のデータ保護に関する取り組みを説明しやすくなる。
DPaaSの利用を検討する際は、オンプレミスのストレージとDPaaSを併用することも選択肢になる。ミッションクリティカルなシステムの場合は、データ保護にオンプレミスのストレージを使用することが珍しくない。オンプレミスのストレージによるデータ保護と、DPaaSのハイブリッド構成からスタートすれば、DPaaSを中心としたデータ保護への投資を全面的に拡大すべきかどうか、適切に判断できるようになる。
DPaaSを最大限に活用する10のヒント
企業がDPaaSへの投資利益率(ROI)を最大限に高めるには、次の事項を検討するとよい。
- データ保護に関する自社の要件を整理し、データ保護に投資する重要性を確認する
- データのバックアップ、アーカイブ、レプリケーション(複製)など、自社が必要とするデータ保護の機能をまとめる
- 現在と将来の要件を踏まえて、既存のデータ保護の方法にDPaaSを加えることでどのようなメリットが得られるのかを確認する
- データのガバナンスやコンプライアンスにおける自社の要件を確認する。具体的には、DPaaSの利用によって順守すべき法規制や業界標準に応じられるかどうかを確認する
- データのバックアップとリストア(復旧)に関する現行の方法を確認し、DPaaSの導入によって最悪の事態からの復旧能力を強化できるかどうかを確認する
- DPaaSの段階的な導入の必要性を検討する。例えばまずは重要度の低いデータの保護に使用して、全面的に採用を拡大することを検討する
- 導入後はDPaaSによるデータ保護の機能を定期的にテストし、データ保護が適切に機能していることを確認する
- 利用するDPaaSの機能やリソースを増やす際は、自社のデータ保護のポリシーや業務プロセスを適切に更新する
- DPaaSを組み込んだ事業継続計画(BCP)とDR計画を作成する
- オンプレミスインフラ、マルチクラウド(複数のクラウドサービスの併用)、ハイブリッドクラウド(オンプレミスインフラとクラウドサービスの併用)などの自社のインフラ構成に応じて、DPaaSの適用範囲を積極的に広げる
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)などによる攻撃によって生じる重要なデータの損失は、自社の評判を落とすだけでなく、ビジネスの継続を左右する深刻な問題になる。DPaaSはデータ保護とビジネスの継続を、迅速に構築するための有効な選択肢になるだろう。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
なぜワンキャリアは障害復旧を3時間から1時間以内に短縮できたのか -
製品資料
自社のDevSecOpsはどこまで進んでいる? 進捗を測る指針“成熟度モデル”とは -
製品資料
実際に悪用される脆弱性は4%前後 優先的に対処すべき脆弱性を把握するには? -
事例
三菱ケミカルが脆弱性への迅速な対応フローを実現した方法とは? -
技術文書・技術解説
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
2
IT人材の42%が転職予備軍 辞めさせない組織の4つの共通
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
Claudeが耐量子暗号を攻略 迫られる暗号移行計画の見直し
-
5
問い合わせ対応業務を効率化、セマンティック検索とFAQ自動生成の活用メリット
-
6
「Google勤務なのに生活に困る」 非正規従業員の“厳し過ぎる現実”
-
7
GitHub Copilotを使いこなす第一歩 初めてのプロンプト6つのコツ
-
8
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
-
9
「HDD終了」は本当か 巨大クラウド2社が下した大容量フラッシュへの決断
-
10
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
属人化や仕様バグはなぜ起きる? AI時代に必須のドキュメント文化の作り方
-
2
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
中小企業必見、Microsoft 365でゼロトラストセキュリティを実現する方法
-
6
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
7
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
8
5分で分かる「AI駆動開発エージェント」 要件定義から設計・実装・テストまで
-
9
動画で知るランサムウェア被害企業のリアル、会計データが無事だった理由とは
-
10
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー