米教科書出版大手がITを使った教育変革に向けて動き出した。取り組みを主導する米大統領行政府の元CIOがまず着手したのは、保守的な内部組織の変革だった。その手法とは?
ブルック・コランジェロ氏は、既にデジタルの分野で名を成している。同氏はかつて米オバマ政権の大統領行政府(EOP)で最高情報責任者(CIO)を務め、オープンソースソフトウェア(OSS)を利用した連邦政府の公式Webサイト「whitehouse.gov」の開発プロジェクトを遂行した。さらにモバイル端末の導入を進めつつ、フロッピーディスクドライブを搭載した旧型のデスクトップPCの排除に取り組み、オンライン請願システム「We the People」などのクラウドソーシングプロジェクトも実施した。
コランジェロ氏は、大統領行政府の組織文化を大きく変えるのにも一役買った。一連の変革を迅速に進められるよう、アジャイル開発手法を取り入れたのだ。同氏がCIOとしての力量を(少なくとも政治の世界において)高く評価されているのには、こうしたいきさつがある。
コランジェロ氏は近い将来、さらなる称賛を浴びることになりそうだ。2013年1月、同氏は米教科書出版大手Houghton Mifflin Harcourt(HMH)のCIOに就任した。政治の世界と同様、出版業界もデジタル変革が求められている部門の1つだ。
今回、コランジェロ氏に求められているのは、「教科書と学術教材の出版を主力事業とする保守的な出版会社が、テクノロジーを使って教育方法を変革するためにはどのようにすればいいか」を考え出すことだ。
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