“危険なクラウド”も今は昔?
金融機関もほれ込むクラウド型セキュリティ「Security as a Service」の魅力
セキュリティ機能をネットワーク経由で提供する「Security as a Service」が急速に充実している。先駆的な利用者は、セキュリティ業務の効率化に有効活用できると評価する。実例を追った。
クラウドインフラの導入を検討しているユーザー企業にとって、そのセキュリティは不安要因になりかねない。だがサービスとしてのセキュリティ(Security as a Service)を利用するためだけにクラウドを使っているユーザー企業も存在する。
Security as a Serviceを利用するITプロフェッショナルは、「一般的なセキュリティ業務に費やす管理時間を短縮でき、自社のインフラのセキュリティをWebベースで一元監視する手段を持つことができる」と証言している。
米ホテルチェーン「Motel 6」と「Studio 6」を傘下に持つG6 Hospitalityは、オンプレミスとクラウドの双方で、全てトレンドマイクロのセキュリティサービスを利用している。最近ではトレンドマイクロ米国法人が提供する「Trend Micro Web App Security as a Service」(以下Web App Security、国内未提供)を本格導入した。ITセキュリティ・コンプライアンス担当マネージングディレクターのトム・サイプス氏によると、これでアプリケーション開発者の負担が軽くなったという。
Web App Securityは、Webアプリケーションコードのセキュリティ分析機能を持つ。これによって開発者は、G6 Hospitalityのセキュリティ担当者がコード分析のためのスケジュールを調整してくれるまで待たされなくても済むようになる。Webブラウザベースのダッシュボードも、G6 Hospitalityにとって、自社のWebアプリケーション環境を概観できる場として利便性が高い。
サイプス氏はこう話す。「自宅で何かの分析をしなければならないときに、ざっと確認するだけであればVPNなどを使わずに済む点が気に入っている。自分たちのWebサイトのどれでも掘り下げて分析でき、どこに問題があるかがすぐに分かる」
銀行などさまざまな規制が掛かる企業でも、会社やユーザーの情報が社外に出ない限りは、Security as a Serviceによってセキュリティとコンプライアンスの基準を満たすことができる。
米銀行Central Bank & TrustのITディレクター、トラビス・ホミ氏は、90台のクライアントPCと15台のサーバで構成されるワイオミング州内5支店のネットワークのウイルス対策とパッチ管理に米GFI Softwareの「GFI Cloud」を使っている。GFI Cloudは、ワークステーションやサーバセキュリティ対策を実行できる。
「全てを移行できるほどクラウドが安心だとは思っていない。特にセンシティブな顧客情報については、行内にとどめなければならないと考えている。GFIのサーバ上にあるのは当行のITインフラのデータだ。これもセンシティブな情報には違いないが、顧客情報ではない」(ホミ氏)
実際、ホミ氏にGFIを勧めたのは、同行の規制・コンプライアンス監査の担当者だったという。
Security as a Serviceのメリットとして、ホミ氏は利便性を筆頭に挙げる。「管理がしやすく、導入も簡単だ。自社のシステムそれぞれにGFIのクラウドエージェントをインストールすれば、集中管理用のWebコンソールからサービスの追加と削除ができる」という。
この機能は、Webの保護といったサービスをGFIから追加導入する際にも役に立つ。
「ネットワーク全体にエージェントのインストールを済ませた。これはWeb経由で導入できて、本当に簡単だ。導入に関する限り、大きな時間の節約になる」と同氏は話す。
Security as a Serviceは、他にも米Cisco Systemsや米Hewlett-Packard(HP)、米McAfee、スペインのPanda Software、英Sophos、米Symantecなどが提供している。
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