AWS監視ツールベンダーを買収したGoogleの真意は
Amazon派の皆さん、いらっしゃい――Googleの買収劇で“引き抜き工作”の臆測
米Amazonの牙城をどう崩すか。米Googleが発表したクラウドモニタリングベンダーStackdriverの買収は、Amazonに打ち勝つための戦略の一環との見方がある。
米Googleが、米Amazon Web Services(AWS)に照準を定め、クラウドモニタリング会社を買収した。専門家は、AWSもいずれ同様の動きを見せるのではないかと考えている。
Googleは2014年5月7日(米国時間)、米Stackdriverを買収したことを同社の公式ブログで明らかにした(買収金額は未公表)。Stackdriverの買収により、「顧客がエラーやパフォーマンス、動作、オペレーションをより視覚化できるようにする」という。
Googleは、Stackdriverの既存顧客(そのほとんどはAWSの顧客だが)のサポートを継続すると説明している。Stackdriverは米Rackspaceも監視対象にしており、そのサポートも続けるという。
今回の買収の狙いは、StackdriverをGoogleのパブリッククラウドサービス「Google Cloud Platform」に統合することだ。
Stackdriverのエージェントソフトウェアでは、ハードウェアの性能低下などを検出できる。SaaS(Software as a Service)形式で提供するデータアナリティクスツールは、根本原因解析のためにイベントの相関分析を組み込んでいる。
「サーバ仮想化の世界では、対象ホストのCPUやメモリ使用率などの評価指標は重要だ。だがStackdriverのより先進的な指標と比較すれば、それらははるかに収集が容易であり、クラウドコンピューティングの世界に十分深く踏み込んだものとはいえない」。こう語るのは、アプリケーション性能管理顧問会社、米APM Expertsの最高経営責任者(CEO)を務めるバーンド・ハーゾグ氏だ。
「クラウドで実行するアプリケーションの性能監視は全く新しく、ユニークで、従来と異なる難しい問題だ」と同氏は語る。「もしこの問題がありふれたモニタリングで解決できるのなら、Googleもそうしていただろう。だが彼らは、それがいずれ通用しなくなることを認識していたのだ」(同)
Stackdriverやその競合は、クラウドモニタリングやアナリティクスの新興勢力だ。これらのベンダーはOSに導入するエージェントを使って、インフラストラクチャとアプリケーションを監視する。
「エージェントは従来、モニタリングの世界では避けられてきた。だがクラウドの時代になってカムバックした」とハーゾグ氏は語る。
ひと波乱ありそうなクラウドモニタリング業界
ハーゾグ氏は、「モニタリング機能の強化を目指すクラウドサービス事業者には、まだまだ多くのパートナーが残っている」と言う。「それは、クラウド分野のベンダーに波乱の幕開けを予感させる。Googleは今まさに、事実上の宣戦布告をした格好だ。AWSは何らかの手を打つべきであり、米Microsoftも、うかうかしてはいられないだろう」(同)
AWSのモニタリングサービス「Amazon CloudWatch」では、ポリシーに基づき、監視対象のリソースに自動的に変更を加える機能を提供している。ユーザー企業はCPU使用率とストレージI/Oのデータを参考に、活用していないインスタンスを止めたり、インスタンスを追加したりして、パフォーマンスを改善することが可能だ。
既にCloudWatchを提供していることを考えると、AWSが新たにクラウドモニタリングベンダーを買収する必要があるとは考えにくい。ただし、AWSの大手顧客の中にはCloudWatchに不満を持っているところもあり、業界専門家たちは、いずれAWSも何らかの動きを見せるだろうと見る。
「Googleは、非常によく設計されたクラウドモニタリング製品をAWSコミュニティーから取り上げ、自分たちの陣営に取り込もうとしている」と語るのは、米クラウドコンサルティング会社Cloud Technology Partnersの上級副社長、デイビッド・リンシカム氏だ。「AWSはチャンスをつかんでいたことを分かっていなかった」(同)
AWSはコメントを拒否した。
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