導入企業必見! 従業員も納得する4つの補償アプローチ
業務でも使う私物スマートフォン、会社はどこまでコストを負担すべきか?
BYOD(私物端末の業務利用)の財務的な側面に関する問題を抱えている企業は少なくない。その場合、従業員への補償についてスマートな仕組みを構築することが重要だ。
BYOD(私物端末の業務利用)は、企業で最も普及しているモバイルデバイスポリシーの1つである。だが、そのコスト管理がよく問題になる。従業員は、私物端末を業務に使用することに対する補償を期待している。そのような補償がなされるのであれば、企業は、私物端末の料金についてどの程度負担するつもりがあるのかを明確にしなければならない。
近年のモバイルデバイス管理と企業モビリティ管理の進歩により、IT部門はBYODポリシー関連で起こりやすいデータ、セキュリティ、デバイスのプロビジョニングに関する問題の大半について対処できるようになった。この状況を受けて、多数の企業がBYODに伴う財務的な課題に目を向けるようになっている。一部の従業員については、業務に関連して発生したモバイルの料金を補償すべきかもしれない。だが、どうすれば公平な対応が行えるのだろうか。
本稿では、4つの一般的なBYODの補償アプローチを紹介する。自社に合ったアプローチを決める参考にしてほしい。
BYOD補償の一般的な手段とは?
モバイル料金の補償が合意に至らないのには隠れた意味がある。元来BYODはユーザーフレンドリーなデバイスポリシーだが、私物端末の使用に対する補償が不十分な場合には、ユーザーフレンドリーではなくなるかもしれない。
さまざまなアプローチを取り上げる前に強調しておきたいことが1つある。それは、企業が全体的なBYODのポリシーや取り決めにおいて、補償体制ポリシーを明確に規定しておかなければならないことだ。
最も簡単な「定額補償」
定額補償は最も簡単なアプローチで、その名前の通りに機能する。認可されたユーザーは、業務に掛かった費用の補填を月々、定額で受けるというものだ。他にも、認可されたモバイルサービスプランの一部を補填するという方式もある。一般的に企業が支払うのはユーザーのモバイル料金の35~50%だ。このような定額補償であれば、全ての関係者が満足することが多い。ただし、金額は企業によって異なる。全体的に見て、ほとんどの企業と従業員は定額補償アプローチの単純明快さを評価している。
柔軟性が高い「定率補償」
定額補償モデルと大きく異なるのが定率補償だ。このアプローチでは、月々のモバイル料金に基づいて一定率の金額が従業員に支払われる。その割合は個人利用と業務利用の平均利用率のバランスに基づいて見積もられる。このアプローチのメリットは柔軟性が高い点だ。従業員によって契約しているモバイルサービスプランは異なる。だが、定率補償であれば、ある程度の均一感を保つことができる。各従業員は同じ割合で補償される。つまり、高い料金を支払っている従業員には、小額の料金を支払っている従業員と同等の割合の金額が補償される。定率補償の欠点は必要な作業が多くなることだ。企業は各従業員のモバイル料金を確認して、従業員に支払う補償額を把握しなければならない。また、多くの場合、この作業は毎月行う必要がある。
従業員を納得させる「個別補償」
定率補償に関する最も多い不満に対処するには、個別補償がよいだろう。業務利用の割合が指定の割合より多いと考える従業員は必ず出てくる。個別補償に対応できるリソースがあれば、月々の業務利用に関連するコストの割合に関して、企業が各ユーザーと個別に取り決めを交わすことが可能だ。現在は多くの音声通話とメッセージプランには制限がない。意見の対立が生じるのはデータプランの超過分に対してだ。ただし、データプランの監査は非常に困難なため、この問題を簡単に解決できると思ってはいけない。
複雑だが、特殊なニーズに対応する「実費補償」
実費補償はBYOD補償アプローチの中でも飛びぬけて複雑な形態だ。通信費管理分野のサードパーティーサービスプロバイダーの中には、全ての通信の使用状況(通話、メッセージ、データ)を追跡し、使用した状況ごとに業務と個人のいずれかに振り分ける機能を提供している所もある。多くの企業にとって、このアプローチは経過を追うには複雑すぎるかもしれない。だが、このレベルでモバイル料金を監査しなければならない特殊なニーズや法的な要件がある企業には最適なアプローチだ。このアプローチを採用すると、業務関連の連絡で誰がどのくらいの金額を使っているのかが明確になる。
筆者が所属するコンサルティング会社の米Farpoint Groupでは、一般的に最も単純なBYOD補償アプローチを採用することで、意見の対立が起こる可能性を最小限に抑えることを勧めている。企業はプランの数値を入念に審査して承認しなければならない。その目的は、企業全体の支出削減と補償について過払いが起こらないようにすることだ。
長期的な成功への備え
どのアプローチを選んでも、コンプライアンス上の理由から定期的な監査は継続して行わなければならない。これは、時間とともに変化する使い方のパターンを特定するためにも必要な作業だ。その情報は、長期的にBYOD補償ポリシーの健全なバランスを保つ一助となるだろう。さらに、国内の税法だけでなく、国際税法を確認し、企業の補償支払が税務上正しく記録および報告されるようにすることも重要だ。
それから、BYODポリシーは多くの企業が予想するより高くつくことが判明している。抑えられる出費は抑えることが肝要だ。時には「他の企業支出と同じように、モバイルサービスプランの料金にも配慮願いたい」と従業員にアピールするのも良いだろう。企業が特定のモバイルサービスプランを審査して承認することは珍しくない。多くの大企業は通信事業者とサービスプランのオプションについて直接交渉している。使用状況を監視したり、Wi-Fiや、適切であれば有線といった低コストの選択肢の使用を徹底することでもコストを抑えることはできる。
細かいところに多少目を配る必要はある。だが、少し取り組めば、企業のモバイルに関連する支出を管理しながらユーザーの生産性と満足度を保つBYOD補償プランを策定することは可能だ。
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