“仕事用”と“遊び用”を切り離す
私物スマホに“仕事領域”を作る「セキュアコンテナ」を喜ぶのは誰?
BYODのセキュリティ対策としても有望視されている「セキュアコンテナ」。その機能や特徴を正確に理解できているだろうか? この機会に、基礎からおさらいしよう。
従業員が職場にコンシューマーデバイスを持ち込む「BYOD(私物端末の業務利用)」。BYODの一般化に伴い、仕事を遊びから切り離すことが、企業のIT部門にとってより重要になってきている。
それを実現する1つの方法が「セキュアコンテナ」だ。セキュアコンテナを使えば、モバイルデバイスに認証済みの暗号化領域を構築し、機密性の高い企業の情報を私的な領域から隔離できる。
セキュアコンテナとはどういったものか。なぜそれを使う必要があるのか。ユーザーと管理者にとっての潜在的なトレードオフは何か。こうしたよく寄せられる質問に沿って、セキュアコンテナについて学んでいこう。
セキュアコンテナとは?
セキュアコンテナは、デバイスのストレージの一部を残りの部分から分離、保護するための技術である。コンテナ化の目的は、特定のアプリや機密情報がマルウェア、侵入者、システムリソース、他のアプリと接触しないように切り離すことだ。セキュアコンテナを使うことを「サンドボックス化」と呼ぶこともある。
一部のデバイスは、ネイティブレベルのセキュリティ機能を搭載するものの、その効果はさまざまだ。セキュアコンテナ用のアプリは、「Android」「iOS」「BlackBerry OS」「Windows Phone」などのOSで利用できる。カナダBlackBerryはiOSやAndroidでも動作する「Secure Work Space」というアプリを提供しており、BlackBerry端末向けにはセキュリティ技術の「BlackBerry Balance」を用意する。韓国Samsung Electronicsは「Samsung KNOX」、米AT&Tは「AT&T Toggle」、米VMwareはデスクトップ/アプリ管理の統合製品「VMware Horizon Suite」(提供終了、後継製品:「VMware Horizon Enterprise Edition」)で、Android向けのコンテナ化を提供している。
「PINロックの強制」や「特定のアプリのホワイトリスト化」などのセキュリティポリシーとともに、セキュアコンテナはモバイルアプリ管理(MAM)の重要な部分を担うこととなる。セキュリティと生産性向上とのバランスを従業員へ提供することを考慮すると、セキュアコンテナは、従業員が使い続けられるほど十分魅力的であることが重要だ。
セキュアコンテナを使用すべきときは?
モバイルデバイスやアプリが、企業の機密情報を危険にさらす可能性がある場合は、セキュアコンテナを使用すべきだ。
企業に持ち込まれるコンシューマー向けのデバイスが増えると、それに付随するマルウェアやデータセキュリティのリスクも増える。企業のIT部門は、セキュアコンテナを導入していれば、アプリを分離したり、コンテナ内のアプリの特定の機能を無効にしたりして、ユーザーデータに影響を与えることなくコンテナ内のデータを消去できる。紛失や盗難の場合には、データをリモート操作で消去することもできる。
デバイス管理の観点から評価した場合、セキュアコンテナの最大の利点の1つは、IT部門が統一のセキュリティアプローチを採用し、複数のデバイスにポリシーやアクションを適用できるようになることだ。
セキュリティの利点だけではない、企業はセキュアコンテナを使って、ドキュメントやメディア、その他のリソースを、従業員のデバイスにプッシュ配信できる。これは、メールによるファイル送信やクラウドストレージでの共有と比べて、はるかに効率的である。
セキュアコンテナの制限は?
セキュアコンテナは、全ての企業のセキュリティ問題を解決するわけではない。サードパーティーアプリは、コンシューマーデバイスで溢れた社内の管理を容易にする。ただし、当然ながら購入や展開、保守にはコストが掛かる。またMAMやモバイルデバイス管理(MDM)を導入していない組織は、セキュアコンテナを有効活用するのに必要なインフラが不足しているかもしれない。
セキュアコンテナで全てを保護することはできないことも覚えておいてほしい。セキュアコンテナによっては、「IT部門がデバイスにプッシュしたファイルは保管できるが、ユーザーがデバイスで作成したファイルは保管できない」「メールと添付ファイルは保護するが、他のファイルは保護できない」、といったことが起こる可能性もある。
セキュアコンテナ内のアプリが、ユーザーのモバイルデバイスの使い方を変える可能性があることは頭に入れておくべきだ。ユーザーが、もともとデバイスに搭載されていたものではなく、高度なセキュリティ機能とIT部門向けの管理機能を備えた他のメールクライアントを使わなければならない場合は特にそうだ。新しいインタフェースを学ぶ必要に迫られたユーザーは、変化を嫌がるかもしれない。
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